決算短信の訂正事例から学ぶ実務の知識 【第3回】「連結範囲変更時における連結キャッシュ・フロー項目」
決算短信において、連結キャッシュ・フロー計算書は訂正が発生しやすい箇所です。作成のタイミングが連結貸借対照表と連結損益計算書の後になるため、決算短信開示までの時間的余裕がその分少なく、チェックが十分になされないのかもしれません。
中でも、毎年出てくるわけではない変則的な項目は要注意です。今回はそうした例の1つである連結範囲変更時における連結キャッシュ・フロー計算書の処理について、訂正事例から学んでいきます。
〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第49回】「士業別のM&A対応、企業の見方に関する留意点とポイント」~弁護士・中小企業診断士編~
前々回、前回と同様に、士業の種類によって微妙に異なるM&Aに対する視点を取り上げます。この視点の違いを知ることで、M&Aの買い手、売り手、支援機関などの第三者は、ご自身のおかれた環境に応じて士業を使い分けられると思います。
今回は、弁護士と中小企業診断士の特性を紹介します。前回までに取り上げた税理士や公認会計士は筆者の職業であったのに対して、今回ご紹介する2つの職業は筆者自身が有していない資格であるため、あくまでも業務上の関係を通じた私見である点をご了承ください。
《速報解説》 JICPAが「サイバーセキュリティリスクへの監査人の対応」に係る研究文書を公表~被監査会社でのインシデント発生時に必要となる監査上の対応等を紹介~
2024年5月30日、日本公認会計士協会は、「サイバーセキュリティリスクへの監査人の対応(研究文書)」(テクノロジー委員会研究文書第10号)を公表した。
《速報解説》 国税庁、インボイスに関して「多く寄せられる質問(令和6年4月以降版)」を更新~課税売上高1,000万円以下の登録事業者が1,000万円超となった場合の届出は不要~
既報のとおり、令和6年4月10日にインボイスに関して「多く寄せられるご質問」の令和6年4月以降版が国税庁から公表されたところ、5月30日にこの内容が更新され、新たに2つの設問が追加された。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第38回】「質問検査に関する租税権力関係説的構成と租税債務関係説的構成」-荒川民商事件・最決昭和48年7月10日刑集27巻7号1205頁-
前回までは、申告納税制度における各措置に関する判例として、納税者による第一次的確定権の行使及び第一次的確定義務の履行としての納税申告(谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」第11回2参照)に関する判例やこれに関連して加算税及び更正の請求に関する判例を取り上げ検討してきたが、今回からは、税務官庁による第二次的確定権の行使及び第二次的確定義務の履行としての課税処分(同第15回1参照)に関する判例を取り上げ検討することにする(その検討において重視する考え方に関連して、申告納税制度の体系的把握については同第11回2、それによる納税義務の確定に係る相互チェック構造については同第15回2参照)。
マンション評価通達の内容と実務への影響 【第1回】
本稿では、先に公表され令和6年1月1日以後に相続、贈与又は遺贈により取得する居住用の区分所有財産(分譲マンション)への適用が始まっている当該マンション評価通達の内容と実務上の留意点について、以下で解説していきたい。
街の税理士が「あれっ?」と思う税務の疑問点 【第9回】「自宅以外で亡くなった場合の小規模宅地等の特例の適用」~病院の場合~
父は病気治療のために入院しましたが、退院することなく3ヶ月後に亡くなりました。母は父の入院時には死亡しており、父が入院前まで居住していた建物は、退院後の父の世話のため生計別の長女がひとり引っ越してきて一室に居住しましたが、その他は退院後に従前どおり父の居住の用に供することができる状況にありました(長女から父への家賃の支払いはありません)。
上記において、その建物と敷地は長女が相続し、以降は引き続き住んでいます。この場合、相続開始直前において父の居住の用に供されていた宅地等に該当し、特定居住用宅地等として小規模宅地等の特例は受けられますか。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第47回】「双輝汽船(株)タックスヘイブン便宜置籍船事件-特定外国子会社に生じた欠損金の損金算入の可否-(審裁平13.12.21、地判平16.2.10、高判平16.12.7、最判平19.9.28)(その3)」~租税特別措置法66条の6第1から3項、法人税法11条ほか~
法的三段論法に当てはめれば、法11条は小前提となる「事実認定」について規定し、本条は大前提となる「課税要件」について規定すると理解する。したがって、両条は法的三段論法の役割分担を異にし、補完的・協働的関係となる。