〔会計不正調査報告書を読む〕 【第155回】中部水産株式会社「特別調査委員会調査報告書(2024年4月8日付)」
中部水産は、A社から仕入れた商品(水産物A)を継続的にB社に販売する取引を行っていたところ、2023年11月30日、B社に対する売掛金債権について約定弁済がなされなかったことをきっかけとして、A社が、中部水産に対して、一部取引について実在しない商品を販売するという架空取引を行っていたことが判明した。その後、水産物Aに関する一連の取引が、A社から中部水産、中部水産からB社、B社からA社へと販売される循環取引であったことも判明した。
〔重要ポイント解説〕サステナビリティ開示基準案 【第3回】「「一般開示基準(案)」の概要」
今回は、サステナビリティ開示テーマ別基準公開草案第1号「一般開示基準(案)(以下、「一般開示基準案」という)」の概要を解説する。
《速報解説》 会計士協会、「中間財務諸表に関する会計基準」等を受けて資本連結実務指針を改正
2024年5月27日、日本公認会計士協会は、会計制度委員会報告第7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」の改正を公表した。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例134(法人事業税)】 「法人事業税につき、「軽微な附帯事業」である太陽光発電事業を区分経理して、別々に税額を計算し合算した方が有利であった事例」
平成26年3月期から令和5年3月期の法人事業税を異なる区分の事業を併せて行う場合として、不動産賃貸業(第1号事業)と太陽光発電事業(第3号事業)に区分して申告すべきところ、太陽光発電事業が売上金額の1割以下であったことから、例外として認められている「軽微な附帯事業」として太陽光発電事業を区分せず、全てを第1号事業として申告した。
しかし、実際には区分して申告した方が有利であったことから、過大納付が発生してしまい、損害賠償請求を受けた。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第37回】「新賃借人から旧賃借人に支払われた2億円は資産の譲渡の対価ではなく、契約上の地位の消滅の対価であるとされた事例」
消費税は国内で財や役務提供を受けたときにその対価に課税して受け手(買い手)が負担するが、その税金を申告納付するのは財や役務を提供する事業者である。この消費税の申告納付額は、事業者が行った資産の譲渡や役務提供の対価について課された消費税から、この資産等を手に入れるために支払った消費税を差し引いて計算する。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第43回】
個人が、自分で管理するウォレットから暗号資産を窃取されたのではなく、暗号資産を預けていた暗号資産交換業者が窃取された場合において、暗号資産交換業者から暗号資産に代えて金銭の補償を受けた場合にはどのような課税関係になるか。
街の税理士が「あれっ?」と思う税務の疑問点 【第8回】「自宅以外で亡くなった場合の小規模宅地等の特例の適用」~老人ホームの場合②~
父母は二世帯住宅の2階部分に同居していましたが、母は死亡し、父は政令に定められる老人ホームに入居し、要介護認定を受け、そのままその老人ホームで亡くなりました(その建物と敷地は父所有)。
二世帯住宅の1階部分には長男夫妻とその娘(孫)が住んでいましたが、父が老人ホーム入居の直前まで居住していた2階部分には、老人ホーム入居後かつ父が亡くなる前に孫娘が居住し始めました。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第46回】「双輝汽船(株)タックスヘイブン便宜置籍船事件-特定外国子会社に生じた欠損金の損金算入の可否-(審裁平13.12.21、地判平16.2.10、高判平16.12.7、最判平19.9.28)(その2)」~租税特別措置法66条の6第1から3項、法人税法11条ほか~
①一定の要件を満たす特定外国子会社等が、②適用対象留保金額を有する場合に③一定の金額を内国親会社の益金に算入する。
〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《キャッシュ・フロー計算書》編 【第1回】「キャッシュ・フロー計算書における精算表の作成過程」
キャッシュ・フロー計算書は、金融商品取引法に基づくディスクローズ制度において開示が義務付けられているため、その作成義務対象は上場企業等に限られており、中小企業には作成が義務付けされていません。しかし、中小企業会計指針では、キャッシュ・フロー計算書を作成することが望ましいとされています。