法人税改革の行方 【第4回】「中小企業・同族会社をめぐる論点」
政府税制調査会では、企業規模を見る上での資本金の意義は低下してきており、資本金基準が妥当か否か見直すべきとの意見が出た。しかし、企業規模に関する指標として資本金に代わる有力な指標が明示されたかというと、そうではない。
平成26年度税制改正における消費税関係の改正事項 【第4回】「課税売上割合の計算方法に係る見直し」
課税売上割合の計算において、有価証券等の譲渡については、その譲渡対価の5%相当額を資産の譲渡等の対価の額に算入することとされているが、債権の譲渡については、その譲渡対価の全額を算入することとされていた。そうすると、債権譲渡を多く行うと、課税売上割合が低下し、消費税納付額の増加につながることとなる。
〈条文解説〉地方法人税の実務 【第7回】「地方法人税『確定申告書』の書き方」
地方法人税の申告書様式については、当初、「地方法人税法施行規則の一部改正」(平成26年4月14日:官報号外第84号)により新設の様式として定められていたが、納税者及び税務署等における事務負担の軽減や地方法人税申告の失念を避けるため、日本税理士会連合会からの要望により、法人税申告書別表1(1)と同一の申告書で行えるよう、様式の改正が行われた。
こんなときどうする?復興特別所得税の実務Q&A 【第9回】「報酬の源泉徴収」
当社は、先日、新製品発表のイベントを開催しました。イベントの開催にあたり、イベント会社に司会者、芸能人、モデル、スタイリスト、カメラマンの手配を依頼しました。
カメラマンにはイベントの模様を撮影してもらい、その写真を社内報や広告に掲載する予定です。司会者、芸能人、モデル、スタイリスト、カメラマンは、全員個人事業主です。
また、報酬は、イベント会社を経由せず、当社から直接支払う契約です。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第9回】「資産調整勘定の計上(東京地裁平成26年3月18日判決)①」
新聞報道で有名であるため、資産調整勘定の計上について争われていたということだけは知っている読者も多いと思われるが、別訴において争われた第1回から第8回で解説した内容と異なり、やや複雑なストラクチャーであることから、否認を受けた理由については、新聞報道だけからは推測し難い。
税務判例を読むための税法の学び方【43】 〔第6章〕判例の見方(その1)
本連載の第1回「第1章「法(法源)の種類」-5「不文法の種類」-②「判例法」」において、判例とは、先例として機能する裁判例のことで、ある事件に対し下された判決の中で示された一般的規準が先例として規範化され、その後の同種の事件においても同じ内容の判決が下されるようになることから、この一般的に承認されるに至った判決(裁判所の判断)を判例(法)という旨記した。
日本の会計について思う 【第9回】「IES(国際会計教育基準)が日本に求めること」
IFRS(国際会計基準)といえば、いまや日本の会計界に知らない者はいない。
しかし、IES(国際会計教育基準)となると、どの程度知られているであろうか。
減損会計を学ぶ 【第16回】「経営計画」
減損損失の認識の判定は、割引前将来キャッシュ・フローの総額を用いて、それが帳簿価額を下回るかどうかによって行うこととされている(「固定資産の減損に係る会計基準」(以下「減損会計基準」という)二2(1))。
このため、割引前将来キャッシュ・フローの総額を見積もることが必要となり、「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号。以下「減損適用指針」という)では、将来キャッシュ・フローの見積りについて詳細に規定している。
〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《貸倒損失・貸倒引当金》編 【第3回】「一括評価金銭債権に係る貸倒引当金繰入」
個別注記表の重要な会計方針において、貸倒引当金の計上基準として、「一般債権については法人税法の規定する貸倒実績率(法人税法の法定繰入率が貸倒実績率を超える場合には法定繰入率)により計上するほか、個々の債権の回収可能性を勘案して計上している」という記載を見ることがあります。今回は、この「一般債権については法人税法の規定する貸倒実績率(法人税法の法定繰入率が貸倒実績率を超える場合には法定繰入率)により計上する」方法をご紹介します。