マンション保有者のための相続税対策とその留意点 【第1回】「既存のマンション保有者が検討すべき対策」
特に近年では、購入代金のうち建物部分の比率の占める割合の高い都心の高層マンションを取得することで、評価の低い建物に組み替えて財産の評価額を減らし節税をはかることを検討しているケースもあるようだ。
このような背景を踏まえ、本稿では相続税対策を中心に居住用・投資用を目的とした区分所有によるマンション保有者または購入検討者に焦点を当てた税金対策について、①既存のマンション保有者と②購入検討者に分け、全2回にわたり解説する。
有料老人ホームをめぐる税務上の留意点 【第2回】「有料老人ホームにおける法人税実務のポイント」
有料老人ホームの会計は、入居時に高額な入居一時金を預かることから、厚生労働省が「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」(以下「指導指針」という)を設け、経理会計の独立性、事業収支計画の策定、情報公開と監査制度等を定めている。
有料老人ホームの税務は、株式会社形態のものと非営利法人形態のものでは課税対象が異なり、株式会社形態の場合は、すべての所得が法人税等の課税対象となるが、非営利法人形態の場合には収益事業から生じた所得のみが法人税等の課税対象となる。
平成26年度税制改正における消費税関係の改正事項 【第5回】「輸出物品販売場制度(外国人旅行者に係る消費税免税制度)の見直し」
従来、消耗品(食品類、飲料類、たばこ、薬品類及び化粧品類並びにフィルム、電池その他の消耗品)は、出国までに国内で消費する可能性を排除できないことから、この免税の対象となる物品から除くものとされていた。
しかし、現状において、アジアからの観光客を中心に、食品類、薬品類、化粧品類等を自国へ持ち帰り、土産物とする実態が多く見られることから、化粧品や飲食料品等を免税対象とすれば、外国人旅行者の利便性向上により、日本国内での旅行消費の拡大を期待することができる。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第26回】「判例分析⑫」
そもそも、事前照会を行うような納税者はどちらかというと保守的に租税法を解釈する納税者が多いため、「社会通念」のような曖昧なもので、かつ、意図的ではないにしても、事前照会で提出した事実関係とは異なる事実関係が知らないところで存在し、それが税務調査で指摘されてしまうリスクを考えると、それに頼った対応というのはあまり望ましくないというのも実態である。それを考慮すれば、子会社の再生において、第2会社方式により旧会社を特別清算するという手法を選択しているケースが多いが、法人税基本通達9-6-1(2)により形式的に判断できるやり方の方が好ましいというのも実態である。
生産性向上設備投資促進税制の実務 【第10回】「各制度の比較」
生産等設備に関する特別償却や税額控除といった税制措置には、本連載で取り上げた「生産性向上設備投資促進税制」(措法42の12の5)のほかに、平成25年に創設された「生産等設備投資促進税制」(措法42の12の2)が存在する。
〔会計不正調査報告書を読む〕【第19回】インスパイアー株式会社・「第三者委員会調査報告書」
調査報告書によれば、インスパイアーは、オンライン決済を目的としたカード事業の事業化のためのシステム開発に関し、過去の決算において適切な会計処理が行われていなかった可能性を「外部から」指摘を受けたことを契機に、第三者委員会を設置して調査することになったとされている。ただし、「外部」の意味するところは、調査報告書では明らかにされていない。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第56回】連結会計⑥「子会社株式の一部売却」
A社は、B社の株式を80%保有し子会社としていますが、その後、20%部分の株式を売却した場合に必要となる連結処理を教えてください。
基礎から学ぶ統合報告 ―IIRC「国際統合報告フレームワーク」を中心に― 【第7回】「8つの「内容要素」とは?(その2)」
前回は、8つの「内容要素」のうち前半の4つ(「(A)組織概要と外部環境」「(B)ガバナンス」「(C)ビジネスモデル」「(D)リスクと機会」)について説明しました。今回は引き続き、残り4つの「内容要素」を説明します。
《速報解説》 日本公認会計士協会から「組織再編等に係る会社と株主との取引をめぐる税務上の論点整理」(租税調査会研究報告第29号)が公表 ~グループ法人税制等平成22年度税制改正事項及びヤフー,IBM訴訟事例についての論点を整理~
研究報告は、平成22年度税制改正におけるグループ法人税制の創設、グループ内組織再編成などに関して、論点の整理を行ったものである。
研究報告では、次のような工夫が行われており、実務の参考になるものと考えられる。