〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第52回】「事前確定届出給与の判定単位と届出書の記載誤り」
当社は事前確定届出給与の制度を活用し、役員に対し、従業員への賞与支給時期に合わせて夏季・冬季と2度の支給を毎年行っています。
ここで、当社は9月決算であり、役員の職務執行期間中である12月に冬季賞与を、翌年7月に夏季賞与を事前確定届出給与として支給する旨を記載した届出を行ったところ、期中に業績が悪化したため、夏季賞与について減額することを検討しています。
また、今回決議した支給額ではない額を届出書に記載して提出してしまいました。
これらの場合における、税務上の取扱いを教えてください。
基礎から身につく組織再編税制 【第55回】「適格株式分配を行った場合の申告調整」
今回は、適格株式分配を行った場合の申告調整について具体例を用いて解説します。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第23回】「住友銀行外税控除否認事件-受益者条項からみたケース別否認類型の検討-(地判平13.5.18、高判平14.6.14、最判平17.12.19)(その2)」~法人税法69条ほか~
外国税額控除事案は、租税条約の関係する、オーストラリア源泉税を吸収するスキーム(S銀行R事件)と、租税条約の関係しない、ニュージーランド源泉税を吸収するスキーム(W銀行事件)、クック諸島源泉税を吸収するスキーム(D銀行事件)、メキシコ源泉税を吸収するスキーム(S銀行P事件)に分けることができる。メキシコスキームが行われた当時(平成3年)、日本とメキシコの間に租税条約はなく、(日本・メキシコ租税条約は平成8年に発効)、クック諸島は、ニュージーランドの自治領(準独立国)であり、タックスヘイブンであることから、日本・ニュージーランド租税条約では、その適用地域から除かれている。日本・ニュージーランド租税条約に利子所得に関する規定はない。オーストラリアの場合、非居住者の利子所得に対する源泉徴収は、国内法の税率と租税条約の限度税率が10%とおなじである。
〈注記事項から見えた〉減損の深層 【第13回】「太陽光発電事業が減損に至った経緯」-建設仮勘定の減損は予測できたか-
【第12回】で、減損損失の発生を予測することができるのかというテーマを扱いました。そこでの結論は、減損処理というのは段階を踏んで慎重に行われるものであり、ある時点において、どの段階まで進んでいるかがわかれば、その資産グループについて、減損が将来実施されるかどうかを感じ取ることができると述べました。そして、その情報源としては、「重要な会計上の見積り」の注記があることを紹介したところです。
本稿でも、同様のアプローチが当てはまる事例を取り上げます。太陽光発電事業に関する減損事例です。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第145回】KNT-CTホールディングス株式会社「調査委員会調査報告書(開示版)(2023年8月8日付)」
KNT-CTホールディングス株式会社(以下「KNT-CT」と略称する)は、1941年10月、有限会社関急旅行社として創業。1955年9月、前身である近畿日本ツーリスト株式会社設立。2013年1月、純粋持株会社体制に移行して、現商号に変更。旅行業を単一のセグメントとし、連結子会社21社及び関連会社1社を有する。売上高252,152百万円、経常利益12,058百万円、資本金100百万円。従業員数3,343名(2023年3月期連結実績)。近鉄グループホールディングス株式会社が議決権の67.0%を有する大株主である。本店所在地は東京都新宿区。東京証券取引所スタンダード市場上場。会計監査人は有限責任あずさ監査法人東京事務所。
《速報解説》 監査役協会が「監査報告のひな型」を改定~「監査に関する品質管理基準」の改訂への対応とKAMに係る文例に言及する注記を追加~
2023年8月17日、日本監査役協会は、「監査報告のひな型の改定について」を公表した。
《速報解説》 「圧縮記帳と税額控除との調整」について制度間の統一的な取扱いを定めた改正措通案がパブリックコメントに付される
国税庁は8月10日付で下記の通り、「租税特別措置法関係通達(法人税編)関係」含む4件の改正案をパブリックコメントとして公表、意見募集を行っている(受付締切日は9月10日)。
《速報解説》 国税庁、各個別通達を消基通に統合等する改正を公表~インボイス制度開始とともに適用、既存の一部法令解釈通達は同日廃止~
令和5年8月10日、国税庁は「消費税法基本通達の一部改正等について(法令解釈通達)」を公表し、同年6月1日から30日まで意見募集していた改正案を確定した。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第122回】「節税商品取引を巡る法律問題(その16)」
研究会報告書は、金融経済教育の意義・目的として、①生活スキルとしての金融リテラシー、②健全で質の高い金融商品の供給を促す金融リテラシー、③我が国の家計金融資産の有効活用につながる金融リテラシーの3つを掲げている。その中でも、①生活スキルとしての金融リテラシーについて、次のように報告している(下線筆者)。