暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第33回】
マイニングに係る所得が、事業所得ではなく、雑所得に該当するとされた国税不服審判所令和4年1月7日裁決(裁決事例集未登載)について、国税不服審判所ホームページの裁決要旨を参考にしつつ、判断内容を確認します。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例129(法人税)】 「所得拡大促進税制の適用において、雇用者給与等支給額を、支給ベースで計算すべきところ発生ベースで計算したため、特別控除額が過少となってしまった事例」
令和Z年3月期の法人税につき、「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」(以下「所得拡大促進税制」という)の適用において、雇用者給与等支給額につき、有利な支給ベース(ソフトウエア仮勘定に振り替えた人件費を給与等支給額に含める)で計算すべきところ、発生ベース(所得の金額の計算上損金の額に算入されたもののみを給与等支給額とする)で計算したため、特別控除額が過少となってしまった。これにより、法人税等につき過大納付税額が発生し、賠償請求を受けた。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第34回】「移転価格税制と住民訴訟(地判平7.3.6、高判平8.3.28)(その3)」~旧日米租税条約11条、25条1項、租税条約実施特例法7条、8条、国税通則法23条2項3号、同施行令6条1項4号~
第一審判決では、「条約に適合しない課税」については、特に判示することもなく、前記6(1)②の判示のとおり、同条約における経済的二重課税に対して相互協議の申立てを行うことができるとした。
控訴審判決では、租税条約の「目的」や「常識」という概念により広く解し、「移転価格の調整によって生ずる経済的二重課税は、少なくとも租税条約の精神に反する」というOECD租税委員会の見解を根拠とした。
有価証券報告書における作成実務のポイント 【第2回】
今回は、有価証券報告書のうち、第一部【企業情報】第1【企業の概況】4【関係会社の状況】から5【従業員の状況】までの作成実務ポイントについて解説する。
なお、本解説では2023年3月期の有価証券報告書(連結あり/特例財務諸表提出会社/日本基準)に原則、適用される法令等に基づき解説している。
開示担当者のためのベーシック注記事項Q&A 【第18回】「賃貸等不動産に関する注記」
当社は連結計算書類の作成義務のある会社です。連結注記表及び個別注記表における賃貸等不動産に関する注記について、どのような内容を記載する必要があるか教えてください。
《速報解説》 中小企業者等の少額減価償却資産の特例、適用期限の延長に加え対象法人の見直しあり~令和6年度税制改正大綱~
取得価額30万円未満の減価償却資産を対象とした「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」(措法67の5)については、「令和6年度税制改正の大綱」(12月22日(金)閣議決定)において令和8年3月31日までの2年延長が示されたが、下記の通り一部対象法人の見直しも行われる。
《速報解説》 草案からの修正を経て、RSの特例に関して取締役等の死亡などの事由の取扱いにつき明確化を図る「企業内容等開示ガイドライン」の改正が、金融庁より公表される
2023(令和5)年、12月26日、金融庁は、「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」の改正を公表した。
《速報解説》 会計士協会、独立監査人が実施する中間・期中財務諸表に対するレビューの草案を公表~合わせて「四半期開示制度の見直しに関する留意点(レビュー編)」も公開~
2023年12月22日、日本公認会計士協会は、次のものを公表し、意見募集を行っている。
① 「独立監査人が実施する中間財務諸表に対するレビュー」(期中レビュー基準報告書第1号)(公開草案)
② 「独立監査人が実施する期中財務諸表に対するレビュー」(期中レビュー基準報告書)(公開草案)
《速報解説》 プラットフォーム課税の導入等~令和6年度税制改正大綱~
令和5年12月22日に閣議決定された「令和6年度税制改正大綱」では、国外事業者によるオンラインゲーム等モバイルアプリの配信を、取引を仲介したプラットフォーム事業者が行った取引とみなして、プラットフォーム事業者に消費税の納税義務を課す見直しが行われた。改正の背景と制度の内容を以下で概説する。