《速報解説》 監査事務所への品質管理レビュー結果をまとめた「平成28年度 品質管理委員会年次報告書」が公表~会計上の見積りや監査証拠等についての指摘事項を紹介~
平成29年6月26日(ホームページ掲載日)、日本公認会計士協会は、「平成28年度 品質管理委員会年次報告書」及び「平成28年度品質管理委員会活動に関する勧告書」を公表した。
年次報告書は、監査法人又は公認会計士が行う監査の品質管理の状況をレビューする制度(品質管理レビュー制度)に基づくものであり、基本的な対象は、監査法人又は公認会計士である。
しかしながら、年次報告書に記載されている内容については、一般の事業会社における会計処理等にも関連するものがあるので、実務において参考になるものを紹介する。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第35回】「個別財務諸表における税効果会計(回収指針対応版)」
平成27年12月28日に企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(以下、「回収指針」という)」が公表されている(なお、回収指針は、平成28年3月28日に改正が行われている)。
そこで、今回は回収指針に基づいて、個別財務諸表における税効果会計を解説する。今回の解説は、本連載【第4回】「個別財務諸表における税効果会計」の改訂版である。なお、本解説では3月末決算の会社を前提に解説している。
電子マネー・仮想通貨等の非現金をめぐる会計処理と税務Q&A 【第10回】「売上の対価として仮想通貨を受け取った場合の会計・税務」
先日得意先に対して行った役務提供の対価として、ビットコインで支払を行いたい旨の打診を受けました。会計処理はどのようにすればよいでしょうか。また、税務上、気をつけなければならないことはありますか。
連結会計を学ぶ 【第6回】「連結の範囲に関する重要性の原則」
連結財務諸表の作成において、親会社は、すべての子会社を連結の範囲に含めることが原則である(「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号。以下「連結会計基準」という)13項)。
ただし、連結会計基準は、重要性の原則を規定しており、子会社であって、その資産、売上高等を考慮して、連結の範囲から除いても企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する合理的な判断を妨げない程度に重要性の乏しいものは、連結の範囲に含めないことができるとしている(連結会計基準注1、注3)。
《速報解説》 金融庁、懇談会提言を踏まえ「監査報告書の透明化」を公表~「監査上の主要な事項(KAM)」の開示に向け検討を開始~
平成29年6月26日、金融庁は「「監査報告書の透明化」について」を公表した。
これは、監査報告書において、財務諸表の適正性についての意見表明に加え、監査人が着目した会計監査上のリスクなどを監査報告書に記載するものである。
〔判決からみた〕会計不正事件における当事者の損害賠償責任 【第1回】「エフオーアイ損害賠償請求事件第1審判決の特徴」
去る平成28年12月20日、東京地方裁判所は、株式会社エフオーアイ(以下「FOI社」と略称する)の会計不正により損害を受けた個人株主らを原告とする損害賠償事件において、同社の元取締役・元監査役のみならず、主幹事証券会社についても、金融商品取引法違反による民事上の責任を認め、損害賠償を命じる判決を言い渡した。
粉飾決算を理由とする損害賠償事件において、証券会社に損害賠償を命じる判決が出たのは初めてということで、大いに注目を集めた判決であるが、同時に、本判決は、社外監査役について損害賠償を命じている点についても、話題となっている。
電子マネー・仮想通貨等の非現金をめぐる会計処理と税務Q&A 【第9回】「仮想通貨をめぐる会計処理(総論)」
[Q]
ビットコインの利用環境が広がってきていることから、当社としても購入するかどうか検討を行っています。
そこで、仮想通貨の会計処理をめぐる現在の議論の方向性や、仮想通貨の会計処理にあたっての基本的な考え方を教えて下さい。
連結会計を学ぶ 【第5回】「連結の範囲に関する適用指針③」―意思決定機関を支配していないことが明らかなケース―
他の企業の意思決定機関を支配していることに該当する要件を満たしていても、財務上又は営業上もしくは事業上の関係からみて他の企業の意思決定機関を支配していないことが明らかであると認められる場合には、当該他の企業は子会社に該当しない(連結会計基準7項ただし書き、連結範囲適用指針16項)。
ファーストステップ管理会計 【第12回】「外注の意思決定」~自家製あんこにこだわるか~
あるベーカリーでは、あんこがたくさん入った「ずっしりあんパン」を販売しています。
このあんパンには、専門店に外注した“極上あんこ”を使っています。おいしいあんこがたっぷり入っているので、あんパンの売れ行きは好調ですが、専門店からのあんこの仕入れ値が高いため、あんパンの販売による利益はあまり多くないのが現状です。しかし、近隣にもベーカリーやたい焼き屋があるため、経営者であるあなたは「ずっしりあんパン」の売価の値上げは難しいと考えています。
《速報解説》 「未来投資戦略2017」が閣議決定、企業による情報開示の質の向上に向けた施策を示す~四半期開示は重複開示の解消・効率化に向け来年春を目処に一定の結論を目指す~
平成29年6月9日、「Society 5.0(ソサエティ5.0)」の実現を目指し、「未来投資戦略2017-Society5.0の実現に向けた改革-」が閣議決定された。
未来投資戦略では、健康・医療・介護やFinTechの推進等など多岐にわたる内容が述べられており、表紙を含めて383ページの大部なものとなっている。
本稿は、このうち、コーポレートガバナンス、会計及び監査に関連する主な事項について取り上げるものである。