居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第36回】「会社以外の法人に対する譲渡」-特殊関係者に対する譲渡-
Xは、出資金額の60%の出資を有しているE医療法人に対して居住用家屋とその敷地を売却しました。
他の適用要件が具備されている場合、「居住用財産買換の譲渡損失特例(措法41の5)」を受けることができるでしょうか。
〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第89回】「業務委託に関する契約書④(コンサルタント業務委託契約書)」
当社はコンサルタント会社です。ウェブサイトの運用等に関する助言等の受託をするにあたり、下記の「コンサルタント業務委託契約書」を作成する予定ですが、印紙税の取扱いはどうなりますか。
《速報解説》 パブコメを経て改正所得税基本通達36-37が確定~R1.7.8以後締結分の保険契約等でR3.7.1以後の権利の支給について適用~
4月28日付でパブコメに付されていた低解約返戻金型保険等の評価に係る所得税基本通達の改正案が、6月25日付で確定、公表された。
《速報解説》 国税庁、令和2年度の再調査の請求、審査請求、訴訟の概要を公表~コロナ禍が権利救済分野にも影響~
2021年6月23日、国税庁は、令和2年度(会計年度)における「再調査の請求」「審査請求」「訴訟」の概要をそれぞれ公表した。
国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁(税務署長など)に対する再調査の請求(かつての異議申立て)や国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の救済制度(不服申立制度)と、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度がある。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第3回】「課税要件法定主義と委任命令」-ふるさと納税不指定事件・最判令和2年6月30日民集74巻4号800頁-
今回は、租税法律主義(形式的租税法律主義。租税法律主義の意義と分類については、谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」【第1回】参照)の要請のうち課税要件法定主義に関して委任命令の委任範囲逸脱の問題を扱ったふるさと納税不指定事件・最判令和2年6月30日民集74巻4号800頁(以下「本判決」という。本判決には宮崎裕子裁判官の補足意見と林景一裁判官の補足意見が示されているが、以下では「宮崎補足意見」、「林補足意見」という)を取り上げる。本判決は、拙著『税法基本講義〔第6版〕』(弘文堂・2018年)では当然のことながら取り上げていないが、現在改訂作業中の同書第7版(今秋刊行予定)では欄外番号【30】で取り上げることにしている。
令和3年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第1回】「カーボンニュートラル投資促進税制の創設」
令和3年度の税制改正は、ウィズコロナ・ポストコロナの経済再生、デジタル社会の実現、グリーン社会の実現、中小企業の支援・地方創生を主要テーマとした改正となっている。ウィズコロナ・ポストコロナの経済再生では、企業のDXを促進する措置の創設、活発な研究開発を維持するための研究開発税制とコロナ禍を踏まえた賃上げ及び投資の促進に係る税制の見直し、繰越欠損金の控除上限の特例の措置、株式対価M&Aを促進するための措置が講じられている。
また、デジタル社会の実現では、納税環境のデジタル化として税務関係書類における押印義務の見直し、電子帳簿等保存制度の見直し等、グリーン化社会の実現では、カーボンニュートラルに向けた税制措置の創設、中小企業の支援・地方創生では中小企業向けの投資促進税制及び所得拡大促進税制の見直しと延長が実現している。
本稿では、連結納税制度に関係する改正項目について、その具体的な取扱いについて解説していくこととする。
Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第23回】「〔第5表〕借地権の計上」-個人から法人へ相当の地代に満たない地代の収受があった場合-
経営者甲が所有しているA土地は、甲が株式を100%保有している甲株式会社に賃貸していますが、経営者甲が甲株式を令和3年に後継者である乙に贈与する予定です。
土地の賃貸借の概要は下記の通りとなります。なお、甲株式会社はA土地について借地権の認定課税を受けたことはありません。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例99(消費税)】 「課税売上げのみに対応するテナント用賃貸建物の取得をした際に、不利な一括比例配分方式で申告してしまった。さらに第3年度において課税売上割合が著しく変動した場合の調整の対象となってしまったため、二重で損害が発生してしまった事例」
平成W0年分の消費税につき、テナント用賃貸建物の取得をした際に、個別対応方式が有利であったにもかかわらず、不利な一括比例配分方式で申告してしまった。これにより、平成W0年分の消費税につき過大納付が発生した。さらに、上記賃貸用建物が調整対象固定資産に該当し、令和Y年に「課税売上割合が著しく変動した場合の調整対象固定資産に関する仕入れに係る消費税額の調整」(以下、単に「課税売上割合が著しく変動した場合の調整」という)の対象となってしまったことから、令和Y年分の消費税についても過大納付が発生した。これにより、平成W0年及び令和Y年分の過大納付消費税額につき損害賠償請求を受けたものである。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第6回】「賃借人が負担した建物附属設備の固定資産税(償却資産税)の納税義務者は誰になるのかが争われた判例」
固定資産税の課税客体は、土地、家屋、償却資産(地方税法第341条第1号、第342条第1項)であるが、償却資産は土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(地方税法第341条第4号)とされている。