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谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」 【第45回】「租税法律主義の基礎理論」-課税要件法定主義と課税要件明確主義-

前回は、金子宏教授による租税法律主義の機能的考察について検討を加え、それを法の支配による租税法律主義のコーティングとして理解した上で、法の支配によるコーティングを租税法律主義の「総仕上げ」とみることができること及びそのような「総仕上げ」後の租税法律主義の内容として課税要件法定主義、課税要件明確主義、合法性の原則、手続的保障原則、遡及立法の禁止及び納税者の権利保護の6つが挙げられていることを述べた。

#No. 389(掲載号)
# 谷口 勢津夫
2020/10/08

事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第22回】「増資時の「取引相場のない株式の評価」及び「会社の税額」に与える影響」

私は、40年前にA社を設立後、製造業を営むA社の社長として経営をしてきました。設立以来、私がA社株式のすべてを所有しており、株式上場を考えたことはありませんでした。
昨今の経営成績は、売上規模や業種を考えると収益性が低い状況が続いています。ただし、創業より無配当の方針であったことから純資産は潤沢です。
私は今年70歳を迎えましたが、息子が副社長として10年以上私を支えてくれていますので、近い将来、息子に全株式を贈与し事業承継しようと考えています。
そのような中、副社長の発案により、収益性改善を目的とした10億円超のIT事業投資が取締役会で決議され、ファイナンスについては私の手元資金から10億円の増資を行うこととなりました。
本件増資により、今後の事業承継等で留意すべきことはありますでしょうか。

#No. 389(掲載号)
# 太陽グラントソントン税理士法人 事業承継対策研究会
2020/10/08

組織再編税制、グループ法人税制及びグループ通算制度の現行法上の問題点と今後の課題 【第6回】「グループ通算制度」

連結納税制度と同様に、グループ通算制度においても帳簿価額修正の制度が残されているが、帳簿価額修正後の離脱法人の株式の帳簿価額が離脱法人の簿価純資産価額に相当する金額となっている(法令119の3⑤)。その結果、例えば、P社がA社(簿価純資産価額2,000百万円)を6,000百万円で買収した後に、9,000百万円で転売した事案を想定すると、単体納税であれば6,000百万円であったA社株式の帳簿価額が2,000百万円に引き下げられてしまうため、P社における株式譲渡益が4,000百万円増加してしまうという問題がある。これは、のれんのある法人を買収し、数年後に転売するときに生じやすい問題であると言える。

#No. 389(掲載号)
# 佐藤 信祐
2020/10/08

Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第16回】「〔第2表〕株式等保有特定会社外しの留意点」

B社(倉庫業)とC社(建設業)を100%所有している社長が事業承継に伴い、社長の長男に株式を承継させるにあたり、株式交換によりA社を設立し、B社及びC社を子会社とした後に、A社設立後開業3年経過後に株式を長男に贈与する場合において、株式等保有特定会社に該当することを免れるためにA社が借入により収益物件を購入した場合には、株式等保有特定会社に該当しないものとして、一般の評価会社として類似業種比準価額と純資産価額を折衷させて評価しても問題ないでしょうか。
なお、A社は不動産賃貸業及びB社及びC社の財務管理、経営管理を行っていますが、従業員はいません。

#No. 389(掲載号)
# 柴田 健次
2020/10/08

さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第64回】「荒川民商事件」~最決昭和48年7月10日(刑集27巻7号1205頁)~

Xはプレス加工業を営む個人であり、ある年分の所得税の確定申告書をY´税務署長に提出していた。しかし、Y´税務署は、これについて過少申告の疑いがあり、税務調査の必要があると考えた。そのため、税務調査の目的で、3回にわたり職員を派遣したが、Xと押問答になり、目的を遂げることができなかった。
そこで、職員は、さらに数日後にXを訪問し、質問検査権に基づく調査をすること、応じないと刑罰に触れることをXに告げて、調査に応じるよう要求したが、Xはこれを拒否した。後日、Y検察官は、この日の不答弁・検査拒否は、所得税法旧234条1項に違反しており、よって同法旧242条8号の罪に該当するとして、Xを起訴した。
Xは、該当の条文に規定された犯罪構成要件が不明確であり、憲法31条で保障された適正手続に反するなどとして争ったが、最高裁は、Xに有罪判決を言い渡した二審の判断を支持した。

#No. 389(掲載号)
# 菊田 雅裕
2020/10/08

《速報解説》 各府省庁からの令和3年度税制改正要望、ひと月遅れで出揃う~期限切れ迎える特例措置の延長要望が中心に~

このほど例年よりひと月遅れて、令和3年度税制改正に向けた各府省庁からの要望事項が取りまとめられた。
新型コロナウイルスに係る税制上の緊急的措置としては既に4月の新型コロナ税特法で概ね手当てされたところであり、今般の要望事項では、景気の冷え込みにつながらないよう期限切れを迎える各特例措置の延長を要望するものが中心を占めている。

#No. 388(掲載号)
# Profession Journal 編集部
2020/10/05

《速報解説》 国税庁、本日10/1より「年末調整控除申告書作成ソフトウェア」の提供を開始

国税庁はかねてより告知していた通り、年末調整手続の電子化を促進するためのソフトウェア(年末調整控除申告書作成ソフトウェア(以下「年調ソフト」))の提供を本日10月1日より開始した。

#No. 388(掲載号)
# Profession Journal 編集部
2020/10/01

monthly TAX views -No.93-「期限迫る消費税の表示問題を考える」

先日筆者のところへ、スーパーマーケット業界の関係者が訪ねてきて、来年(2021年)3月末で期限が切れる消費税の総額表示義務の特例について、できれば延長してほしいという話をされた。
そもそも消費税の表示については、消費者がレジで請求されるまで支払額の分からない税抜き価格表示ではなく、税額も入った総額を表示するように平成15年度税制改正で義務付けされた。

#No. 388(掲載号)
# 森信 茂樹
2020/10/01

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例22】「役員給与における「不相当に高額な部分」の意義と租税法律主義」

私は、北陸地方において日本酒の醸造を行っている酒造メーカーである株式会社Aにおいて、ここ10年あまり経理部長を務めております。一昨年、先代の会長と、その奥様がわが社の経営の一線を完全に退くにあたり、その長年の貢献と労苦に報いるため、退職慰労金を支払っております。その金額は、顧問税理士はもとより、地元の金融機関とも相談し妥当といえるものであると考えておりました。ところが、最近受けた税務調査で、調査官から「先代の会長とその配偶者である元取締役に対して支払った役員退職慰労金は、同業他社の事例と比較してかなり高い」ことから、法人税法第34条第2項にいう「不相当に高額な部分の金額」があるため、その金額については損金の額に算入されないと言われました。
最近出た裁判例で、酒造メーカーの役員給与について争われた事案があり、それでは創業者に対して支払われた役員退職金がわが社のケースよりも高いにもかかわらず認容されたと聞きます。調査官にもその旨を反論しましたが、「あちらとは事情が異なる」として取り合ってもらえません。今後どのように対応したらよいのでしょうか、教えてください。

#No. 388(掲載号)
# 安部 和彦
2020/10/01

組織再編税制、グループ法人税制及びグループ通算制度の現行法上の問題点と今後の課題 【第5回】「株式移転」

単独株式移転を行った場合において、グループ内の適格株式移転に該当するためには、株式移転後に株式移転完全親法人と株式移転完全子法人との間に当該株式移転完全親法人による完全支配関係が継続することが見込まれている必要がある(法令4の3㉒)。すなわち、単独株式移転を行った後に、株式移転完全親法人が株式移転完全子法人株式を譲渡することが見込まれている場合には、非適格株式移転として取り扱われる。

#No. 388(掲載号)
# 佐藤 信祐
2020/10/01
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