「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例37(所得税)】 「「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算の特例」の適用が受けられたにもかかわらず、適用を失念したまま申告してしまった事例」
依頼者は医師であり、事業所得は恒常的に黒字であり、平成27年分は7,500万円であった。依頼者は、それまで住んでいたマンション(平成17年取得)を売却して戸建住宅を購入し、住み替えることになった。平成27年4月に住宅ローンを組んで戸建住宅を購入し、10月にマンションを売却(1,500万円の譲渡損失が発生)した。
裁判例・裁決例からみた非上場株式の評価 【第6回】「募集株式の発行等⑤」
前回は、神戸地裁昭和51年6月18日判決について解説を行った。
【第6回】に当たる本稿では、東京地裁昭和52年8月30日判決、東京地裁昭和56年6月12日判決について解説を行うこととする。
理由付記の不備をめぐる事例研究 【第10回】「有価証券評価損」~有価証券評価損の計上が認められないと判断した理由は?~
今回は、青色申告法人X社に対して行われた有価証券評価損の否認に係る法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた長崎地裁平成18年11月7日判決(税資256号順号10565。以下「本判決」という)を取り上げる。
税務判例を読むための税法の学び方【81】 〔第9章〕代表的な税務判例を読む(その9:「租税法律主義の意義②」(最判昭30.3.23))
この判決は、事例判決かそれとも一般的法命題の示されている法理判決か、形式の点では判断が難しいものがあるが、その内容は租税法律主義の点から地方税法と憲法の関係について、見解を示している。厳密な意味で、他の税法と憲法の関係をその射程としているかは見解が分かれるところではあるが、その内容から、他の税法との関係まで示唆しているものと判断できよう。
《速報解説》 平成28年度税制改正を踏まえた法人税申告書(別表)の新様式が公表~役員給与の見直しに係る「譲渡制限付株式に関する明細書」等が新設
平成28年度税制改正を受けた法人税申告書(別表)様式を定めた改正法人税施行規則が4月15日付官報号外第89号で公布され、その変更内容が明らかとなった。これら新様式は原則平成28年4月1日以後終了事業年度から適用される。
《速報解説》 既成市街地等内の中高層耐火共同住宅建築に係る買換え特例(措置法37条の5)の適用について文書回答事例が公表~一団の土地に建築された2棟の建物の取扱いを3つのパターンで確認~
以下では、国税庁ホームページに公表された文書回答事例「容積率の異なる地域にまたがる一団の土地の上に2棟の中高層耐火共同住宅が建築される場合における租税特別措置法第37条の5の規定による買換えの特例の適用について」(東京国税局、平成28年3月15日付)について解説する
《速報解説》 改正地域再生法が平成28年4月20日に公布、同日施行~企業版ふるさと納税がスタート
本制度の適用は3月末に公布された改正税法において「地域再生法の一部を改正する法律の施行の日」からと規定されており改正地域再生法の動向が注目されていたところ、このたび4月20日付け官報号外第92にて公布、同日施行された(附則第1条)。なお、同法に係る政令・府令も同日公布・施行されている。
日本の企業税制 【第30回】「法人実効税率引下げと税効果会計の対応」
平成28年度税制改正に関する改正法案は、国税、地方税ともに、3月29日に可決成立し、同月31日に公布された。
今回の税制改正では、法人税の税率を現行23.9%から平成28年度に23.4%、平成30年度に23.2%とする一方、法人事業税所得割の税率を現行6.0%から3.6%(地方法人特別税を除くと0.7%)に引き下げることにより、法人実効税率(標準税率ベース)の20%台への引下げを達成した。
平成28年度税制改正における減価償却制度の改正ポイント 【第2回】「資本的支出及び施行日前後の取扱いと留意点」
前回は改正の概要と経過措置規定について解説したが、今回は改正後の資本的支出の取扱いと施行日をまたぐ事業年度の取扱いについて解説する。