〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第31回】「外国子会社合算税制と二重課税の排除」
外国子会社合算税制を適用した結果、内国法人に二重課税が発生する可能性があるとのことですが、二重課税とされるもののうち、例えば、合算対象となる外国子会社が我が国に支店等を有しており、我が国で法人税等が課税されていた場合、当該外国子会社の国内源泉所得に係る課税はどのように調整されるのでしょうか。
〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第7回】「国税通則法第23条第2項第1号の「判決」の具体的範囲」
① 被相続人の相続人は、それぞれ被相続人の子である審査請求人(請求人)、A及びBの3人であり、請求人は熟慮期間の伸長を2度経た上で家庭裁判所に相続放棄の申述をした。
② Aは、請求人及びBを相手に遺産分割審判の申立てをした。
③ 請求人は、相続税法第55条の規定に基づき、自らの法定相続分が3分の1であることを前提とする期限後申告をした。
④ 家庭裁判所は、各相続人の法定相続分がいずれも3分の1ずつであることを前提に、本件土地を請求人に取得させることなどを内容とする審判(本件審判)を行い、これが確定したことに伴い、所有権移転登記が経由された。
⑤ Aは、請求人が相続放棄の申述をしていたことを知り、裁判所に対して本件審判の無効確認を求めるとともに、所有権移転登記の抹消を求める訴えを提起したところ、裁判所は、本件審判の無効を確認するとともに、請求人に対して登記の抹消を命じる判決(本件判決)を言い渡し、これが確定した。
⑥ 請求人は、相続税法第32条第1項に規定する期限内に相続税の更正の請求をしたところ、原処分庁は、更正すべき理由がない旨の通知処分をした。
《速報解説》 国税庁、R5改正に対応した電帳法通達及び一問一答を公表~新たな猶予措置における「相当の理由」についても明示~
上記の改正については、適用関係等において一部不明確な部分もあったところ、6月30日付で国税庁より令和5年度改正を受けた「電子帳簿保存法取扱通達」等及び「電子帳簿保存法一問一答」がそれぞれ見直され、詳細が明らかとなった。
今回公表された情報は以下の通り。
《速報解説》 国税庁が令和5年分の路線価を公表~新型コロナの影響脱し全国平均は2年連続上昇~
7月3日、国税庁は相続税及び贈与税の算定基準となる令和5年分の路線価(1月1日時点)を公表した。
《速報解説》 マンション評価めぐる有識者会議(第3回)開催で見直しの具体案が示される~相続税評価額が市場価格理論値の60%となるよう補正、令和6年1月1日以後の相続等より適用を予定~
マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議の第3回会議が6月22日付で開催され、その内容が30日に公表された。
《速報解説》 R5改正に対応し、経済産業省が『「スピンオフ」の活用に関する手引』を改訂~パーシャルスピンオフ税制の創設に伴い、設問や事例の追加等行う~
経済産業省は令和5年6月26日付けで『「スピンオフ」の活用に関する手引』を改訂し、Q&Aの追加等を行った。
《速報解説》 国税不服審判所「公表裁決事例(令和4年10月~12月)」~注目事例の紹介~
本稿では、公表された裁決事例のうち、審査請求人が法律の不備を主張した事例(前掲表①)、太陽光発電による売電収入が事業所得に当たるかどうかが争点となった事例(前掲表②)及び消費税の仕入税額控除の適用において帳簿等の不提示が争点となった事例(前掲表⑦)について、国税不服審判所の判断内容を概説したい。
これからの国際税務 【第37回】「第2の柱:軽課税所得ルール(UTPR)の見通し」
2021年10月にOECD/G20から公表された経済のデジタル化対応の2つの柱から成る国際課税の新ルール合意のうち、2022年中に詳細設計の国際協議が進捗した(※1)第2の柱(15%のグローバル・ミニマム課税、租税条約面の対応も含めて「GloBE税制」とも呼称)の中核をなす所得合算ルール(IIR)について、政府は、令和5年度税制改正で国内法への導入を行った。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第27回】「合法性の原則の外在的制約」-青色申告承認「信義則」事件・最判昭和62年10月30日訟月34巻4号853頁の意義と限界-
前回は、合法性の原則の制約について、租税平等主義との関係で内在的制約を検討したが、今回は、信義則との関係で外在的制約を検討することにする。その検討の素材としては、青色申告承認「信義則」事件・最判昭和62年10月30日訟月34巻4号853頁(以下「本判決」という)を取り上げ、その判断の内容及び限界を明らかにしながら、合法性の原則と信義則との適用関係について検討する。