固定資産をめぐる判例・裁決例概説
【第65回】
「土地の売買契約と補償契約は別のものであり、根抵当権を抹消した日が譲渡対価の50%以上受け取った日より早かったから、その日に土地の引渡しがあったとされた事例」
税理士 菅野 真美
▷固定資産の譲渡損益の帰属事業年度
固定資産の譲渡損益の帰属事業年度は、固定資産の引渡しの日の属する事業年度が原則である(法人税基本通達2-1-14)。一般的な不動産の売買契約の場合、契約書に引渡し日が売買代金全額受領日のような記載がある。契約時点で手付金が支払われ、残金が支払われると同時に、登記に必要な書類が渡される。
しかし、売買契約の引渡しの時期がいつなのかに疑問が生ずる場合もある。これについて、法人税基本通達2-1-14では、2-1-2の例によるとされている。
すなわち、譲渡した資産が土地又は土地の上に存する権利であり、その引渡しの日がいつであるかが明らかでないときは、次に掲げる日のうちいずれか早い日にその引渡しがあったものとすることができる。
(1) 代金の相当部分(おおむね50%以上)を収受するに至った日
(2) 所有権移転登記の申請(その登記の申請に必要な書類の相手方への交付を含む。)をした日
つまり、代金の半分以上の収受が行われた日か、所有権の移転登記の申請(これは、法務局に申請した日でなくても必要書類を相手方に渡した日でも認められる。)のいずれか早い日となる。
今回は、土地の引渡しの日がいつになるのかで争われた事案を検討する。
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