《速報解説》
「連結納税制度」の見直しと「グループ通算制度」の創設
~令和2年度税制改正大綱~
公認会計士・税理士
税理士法人トラスト
足立 好幸
令和元年12月12日に公表された令和2年度税制改正大綱では、予定通り、現行の連結納税制度を見直し、グループ通算制度へ移行することが明記された。
連結納税制度の見直しについては、政府税制調査会において、平成30年11月7日に「連結納税制度に関する専門家会合」を設置し、令和元年8月27日の総会において現行の連結納税制度の見直しの基本的考え方と新たな制度(グループ通算制度)の基本的な仕組みが報告されていた。
しかし、見直しの内容について、個別申告方式への移行による事務負担の軽減については多くの利害関係者が賛成する一方、個別規定の見直し、例えば、研究開発税制や外国税額控除のグループ調整計算の廃止、親法人の開始前の繰越欠損金に対するSRLYルールの適用など、現行制度より税負担が増加する見直しについては企業側から反対意見が多く、最終的に、どのような内容で実現するか不明であった。
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政府税調における連結納税制度の見直しについて~改正の方向性とその影響~
はじめに
1 検討に当たっての視点
2 連結納税制度の見直しの方向性と実務上のポイント
(1) 個別申告方式への移行~事務負担の軽減を図る観点からの簡素化~
・改正の方向性
・実務上のポイント
(2) 時価評価課税及び欠損金の利用制限等の見直し~組織再編税制との整合性の観点~
・改正の方向性
・実務上のポイント
(3) グループ調整計算~事務負担の軽減を図る観点からの簡素化~
・改正の方向性
・実務上のポイント
(4) 新制度の適用関係~移行スケジュールと経過措置のイメージ~
・改正の方向性
・実務上のポイント
(5) その他の論点
(6) 今回の専門家会合で方向性が示されなかった事項について
3 連結納税の実務への影響~上記2のポイント踏まえて~
(1) 既に連結納税を採用している会社への影響
① 事務負担がどれくらい軽減されるのか?
② 税効果会計はどうなるのか?
③ 連結納税システムはどう変わるのか?
④ 連結納税から単体納税に移行する連結グループはどれくらいありそうか?
(2) まだ連結納税を採用していない企業への影響
① 新制度適用後は、連結納税を採用する企業は増えそうか?
② 連結納税を開始、加入、離脱するなら改正前か? 改正後か?
③ 準備期間に連結納税を開始して、その後、取りやめるのもよいのか?
4 おわりに
そこで本稿では、令和2年度税制改正大綱において、これらの論点がどのような取扱いになったのか、以下にまとめることにする。
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