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小規模宅地等の特例に関する平成30年度税制改正のポイント 【第1回】「特例居住用宅地等の「家なき子特例」の見直し」
平成30年度税制改正により、同年4月1日以後の相続等から、いわゆる“家なき子特例”や“貸付事業用宅地”に係る小規模宅地の特例の要件が厳格化された。
小規模宅地等の特例は、利用区分や限度面積、減額割合等の適用要件が多岐にわたることから、これまでも数次の改正が行われてきたが、今回も適用要件の改正が行われることとなった。
平成30年度税制改正における所得控除の見直しと実務への影響 【第1回】「改正内容の確認と影響」
平成30年度税制改正では、「働き方改革」を後押しする観点から、特定の収入にのみ適用される給与所得控除及び公的年金等控除の控除額がそれぞれ引き下げられ、一方で、すべての所得者に適用される基礎控除の控除額が引き上げられることとなった。
これらの改正は平成32年(2020年)分の所得税(個人住民税は平成33年(2021年)度分)から適用される。
AIで士業は変わるか? 【第15回】「テクノロジーが税務サービス業界与えるインパクト」
日本には言語の壁があるので、これまでアメリカの企業が行ってきたような、付加価値の低いサービスをインド等の国外にアウトソースしてしまうオフショアリングはあまり進んでいませんでした。AIを含むソフトウェア開発についても、まずは英語圏で開発が先行する可能性はありますが、中国で滴滴出行が先に自国マーケットを抑えウーバーを追い出してしまったように、日本で開発されたテクノロジーがデファクトスタンダードになる日が来るかもしれません。あるいはドコモのiモードのように、一世を風靡しても、後から「ガラパゴスだった」と言われてしまうかもしれません。
実務家による実務家のためのブックガイド -No.5- 竹村彰通 著『データサイエンス入門』
AI(人工知能)によって将来代替される可能性の高い仕事の一つとして会計士が挙げられてから数年が経つ。現に監査業務へのAI導入が大手監査法人では真剣に研究されている。期末監査で膨大な事務量をこなす現場からは、これを歓迎する意見も聞かれるが、反面自らの将来に不安を禁じえない会計士も少なくないと思う。
M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-法務編- 【第1回】「会社組織の調査」
本連載は、既に連載されている「M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務」の各論・法務編であり、並行して連載されている「M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編-」の姉妹編にあたる。
したがって、読者諸賢は、本連載を、法務デューデリジェンスに関する独立の読み物として読んでいただいてもよいが、本誌No.259、No.261、No.264及びNo.266に掲載されている「M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-共通編-」と合わせて読み、あるいは〔財務・税務編〕と並行して読み進めていただくことで、総合的・有機的にデューデリジェンスを理解することができる。
中小企業経営者の[老後資金]を構築するポイント 【第1回】「プロローグ:事業承継対策と密接な関係にある経営者の老後資金問題」
上記の各支出状況を見て分かるとおり、これらは決して贅沢をしすぎているとはいえないが、それでも1億円近くの資金が必要となるのである。この老後資金を引退までの給与と引退時の退職金、引退後の年金収入と投資収入などによって賄っていかなければならない。
場合によっては、不動産や有価証券、保険積立金といった個人資産を売却・整理することによって、資金を確保しなければならない事態も生じてくるであろう。
このような中で、中小企業経営者にフォーカスを絞って見てみると、これが事業を成功させてきた中小企業経営者である場合には、必然的にさらに多くの資金を要することは明らかであり、中小企業の経営者であるがゆえの様々な問題点が見えてくる。
AIで士業は変わるか? 【第14回】「AIの判断ミスに対する法的責任の所在」
近時、主に機械学習を利用したAI技術が急速に発展し、多くの企業がAI技術を利用したソフトウェアの開発や利用に取り組み始めている。今後もAI技術は社会に広く普及していくことが予想されるが、人間の指示を受けずに自律的な判断を行うAIの行為によって事故等が発生した場合、誰がどのような責任を負うのかといった新しい法律問題には、未解決の点も多い。
例えば、AIのコントロールする自動運転車が判断ミスにより衝突する、AIによるがん早期発見システムが検知ミスにより患者のがんの進行を許してしまう、といった例が典型的である。
AIは「人」に該当しない以上、AIによって発生した事故等についてAI自体に法的責任を問うことはできない。それでは、AIの開発や利用に関係する者(自然人や法人)のうち、誰がどのような場合に責任を負うのか、ということが問題となる。
M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編- 【第1回】「純有利子負債の分析(その1)」
「M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-財務・税務編-」は、今回からいよいよ、財務デューデリジェンスの調査項目ごとにその調査内容・調査手順を説明する「各論」に入る。また、これと並行して、本連載の姉妹編「M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-法務編-」の連載も開始される。
読者諸賢は、本連載を財務・税務デューデリジェンスに関する独立の読み物として読んでいただいてもよいが、並行して連載される「M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-法務編-」とともに読み進めていただくことで、総合的・有機的にデューデリジェンスを理解し、その実務を身に付けることができる。
AIで士業は変わるか? 【第13回】「高度専門業務は外注される時代へ」
例えば、税務申告書を作成する税理士と税務コンサルティングを行う税理士が別々であっても構わない。売上総額という意味では前者の方が高額であるが、1時間当たりの単価という意味では後者の方が高額である。今までは、1人の税理士がすべてを行っていたために非効率であったが、分業が成立すると効率的に仕事ができるようになる。
AIで士業は変わるか? 【第12回】「税務会計の分野において、AIに『代替し得るもの』と『代替し得ないもの』」
アーサー・C・クラーク原作、スタンリー・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」(1968年)における人工知能・HAL9000型コンピュータの描写に見られるように「AIが人間に代替し得るか?」というテーマに関する議論は古くからあったが、近年になって、インターネットが普及し、コンピュータが扱えるデータ量や演算速度などが飛躍的に向上し、実際に将棋や囲碁などの対局において、コンピュータがトップクラスの棋士に勝ってしまうような事例が増えてきたことなどから、より現実的な問題として、我々が考えなければならない重要な命題へと変貌を遂げて来ているように思う。
