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経産省研究会による会社法の「法的論点に関する解釈指針」のポイントと企業実務への影響 【前編】
上記の通り、本指針、つまり本報告書別紙3「法的論点に関する解釈指針」では、本報告書において提言するコーポレート・ガバナンスの見直し等を進める上で、現行法上問題となり得る点についての分析及び法解釈の指針をまとめている。
なお、本指針において示されている解釈指針には、現時点では必ずしも通説的とはいえないものも含まれているが、本指針の策定には、法務省民事局参事官室も参画していることから、その内容は、今後の法解釈及び法改正に反映されることが十分に予想される。
国境を越えた役務の提供に係る消費税課税の見直し等と実務対応 【第1回】「改正前の国内取引の判定基準」
平成27年度の税制改正により、国境を越える役務の提供に係る消費税の課税が大幅に見直されることとなった。当該改正は原則として平成27年10月1日以降において行われる取引について適用されることから、正にこれから実務で問題となり得る項目であるといえる。
そこで本連載では、国境を越える役務の提供に係る消費税の課税に関し、新たに導入されることとなる「リバースチャージ方式」が国内企業の実務に及ぼす影響と対策について検討することとする。
改正電子帳簿保存法と企業実務 【第1回】「電子帳簿保存法の導入経緯」
電子取引については、当初はEDI取引等の限定的な取引手法として利用されてきたが、昨今ではメールによる取引情報の授受はごく一般的であり、このほか技術革新により新しい技術がどんどん採用され、取引の方法や形態がどんどん多様化しており、現状の電子帳簿保存法第10条の規定のみでは運用が困難になりつつあるといえる。
〔平成27年分〕相続税の申告実務の留意点 【第1回】「基礎控除の引下げ・税率構造の見直し」
本連載では平成27年1月1日以降に他界した相続人に関する相続税申告について、平成27年から適用される主な改正事項等を取り上げ、それらが実務に与える影響や留意点を解説をしていくこととする。
平成27年1月1日以降に他界した相続人に関する相続税申告につき、平成26年までに他界した相続人の相続税申告とは異なり、新規に適用される主な項目は以下の通りである。
1 基礎控除の引下げ(相法15)、税率構造の見直し(相法16)
2 小規模宅地等の評価減特例の改正(措法69の4)~特定居住用宅地等の適用対象面積の拡充、限度面積要件の緩和
3 未成年者控除(相法19の3)・障害者控除(相法19の4)の引上げ
4 結婚・子育て資金贈与特例(措法70の2の3)と相続税申告の関係
5 国外転出時課税制度(所法60の2)と相続税申告
〔書評〕 酒井克彦 著『「正当な理由」をめぐる認定判断と税務解釈~判断に迷う《加算税免除規定》の解釈』
税務調査に対する対応に迷いを抱える税理士は多い。
税務調査の結果、増差税額が生じたため、クライアントに追徴税額の支払いを依頼しなければならないだけではなく、追加的に延滞税・加算税の支払いを依頼しなければならないからである。
また、税務調査の際に税務署との見解の相違が明らかとなり、修正申告を余儀なくされる場合に課される加算税の負担をクライアントに求める場合に、クライアントとの間にトラブルになる場合も多いからであろう。
〈要点確認〉非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度~昨今の事業承継税制等をめぐる改正事項~ 【第1回】「適用要件等、あらためて制度内容を確認する」
事業承継税制(非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例)については、平成25年度税制改正で適用要件の緩和が行われ、本年1月1日より全面施行されている。さらに平成27年度税制改正においても、2代目から3代目への早期自社株贈与は贈与税免除になる等、見直しが行われており、本年4月1日以後の相続等より適用が開始されている。
このため、現時点でこの制度を適用するに当たっては、これらの改正事項を理解したうえでその適用を判断する必要があり、25年改正事項についても2年前の改正であることから、失念のないよう留意しなければならない。
多様化する『生前贈与』の選択肢~大幅拡充の平成27年度改正を受け、どういう視点で検討すべきか~
これら相続税の増税に対し、贈与税については納税者有利となる改正が行われ、生前に贈与した場合の非課税規定である住宅取得等資金の贈与や教育資金の贈与につき適用期限の延長、非課税枠の拡大が行われることとなった。
これらの規定以外にも、暦年贈与につき直系尊属からの贈与における特例税率の創設や相続時精算課税制度・事業承継税制の拡充が行われ、さらに平成27年4月1日からは、結婚・子育て資金を贈与した場合の非課税規定が創設されている。
したがって、従来からある贈与税の配偶者控除も含めると、生前に贈与した場合に非課税となる規定が多数存在することとなり、どの規定を選択するのかという観点から、慎重に対応しなければならない。
税理士ができる『中小企業の資金調達』支援実務 【第1回】「税理士が資金調達支援を行うメリット」~他の専門家との差別化を図る~
相続税や資産税などの専門分野に特化している税理士が、これまで融資に関する業務に携わったことすらない、というのはよくある話ではあるし、そうでない税理士においても、おおよそ7、8割の税理士は資金調達支援を業務として行ったことがない、行うことができない、というのが実情であろう。
実際に、筆者がこれまで資金調達支援の相談を受けた中小企業で、会計士や税理士が役員を務めていたことも少なくない。つまり、それらの専門家が自らが役員を務める企業の資金調達支援を行うことができなかったということである。
これだけ知っておこう!『インド税制』 【第1回】「税制の全体像と法人所得課税」
会計士として日系企業向けにインド税務に関するアドバイスを提供していると、よく「インドの税制は非常に複雑ですね」という感想をいただくことがある。
ただ、実務を担当している筆者の見解では、インド税制とはいえ基本的な構造自体は日本の税制と同じである。
従業員等からの『マイナンバー』入手の手順 【第1回】「マイナンバー入手前に準備しておくべきこと」
このように、マイナンバーを入手すべき個人は、従業員(パート、アルバイト含み、外国籍の方でも住民票に登録のある方を含む)だけではなく、従業員の配偶者や扶養家族、弁護士や税理士等、個人の地主や家主、不動産の売主、株主など広範多岐にわたる。
企業からすると、従業員やその家族は比較的距離も近くマイナンバーを入手しやすい環境にあると考えられるが、これら以外の外部の個人については事前の案内も含めできるだけ早く対応策を検討することが必要である。
