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〔時系列でみる〕出産・子を養育する社員への対応と運営のヒント 【第1回】「出産・育児に関する制度の全体像」
少子高齢化の進行に伴い、労働力人口は今後減少していくことが見込まれている。
企業による有能な人材の獲得競争は、ますます激しくなっていくであろう。
こうした状況の変化のなかで企業が人材を確保し、活用・定着を図っていくためには、従来の働き方や職場環境を見直し、従業員の仕事と家庭の両立を支援(以下、当連載では「両立支援」とする)するための取組みが不可欠といえる。
つまり、企業による両立支援の取組みは、一部の従業員を優遇するための福利厚生としてではなく、「重要な人的資源の活用のための経営戦略の一環」として実施する必要がある。
働く意欲のある女性が増えているなかで、出産を機に会社を辞めざるを得ないというのは、社員にとってだけではなく、会社にとっても大きな損失である。
当連載では、妊娠・出産・育児をする従業員に対し企業がすべきこと(又はしてはいけないこと)、仕事と家庭との両立を実現しやすくする支援策、企業が有能な人材を確保・活用していく際のヒントを、「妊娠」→「出産」→「育児」→「職場復帰」といった時系列で触れていくこととする。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例1(贈与税)】 「相続時精算課税を選択していれば贈与税がかからなかったところ、暦年課税を選択したため、贈与税の支払いが発生し、支払った贈与税について損害賠償請求を受けた事例」
平成21年分の贈与税につき、相続時精算課税の適用を受けることができる祖母からの土地の贈与につき、暦年課税により贈与税の申告を行った。ところが贈与から3年以内の平成23年に祖母が死亡したため、贈与を受けた土地を持ち戻して相続税の申告を行おうとしたが、相続人の見積りによれば、相続財産の合計額が基礎控除以下となったため、相続税は発生しなかった。
このため、依頼者より、平成21年分の土地の贈与に相続時精算課税を適用していれば、贈与税は支払わずに済んだとして、支払った暦年贈与税額につき賠償請求を受けたものである。
林總の管理会計[超]入門講座 【第1回】「管理会計と原価計算」
会計は大きく財務会計と管理会計に分類されます。
財務会計は会社の実態を外部に報告するための会計、管理会計は経営(マネジメント)を上手に行って、会社の業績を良くするための会計です。
したがって、会社にとって、管理会計の方が財務会計よりも大切です。
ところが現実は、管理会計がうまく機能している会社は少なく、また、苦手意識を持つ実務家や受験生は意外に多いようです。
このような事態を引き起こしている原因は何かというと、どうやら管理会計教育に課題がありそうです。
雇用促進税制・所得拡大促進税制の実務 ~要件・手続の確認から両制度の適用比較まで~ 【第1回】「雇用促進税制の適用要件」
最近の雇用失業情勢を概観すると、新規求人倍率、有効求人倍率、完全失業率などの指標については平成21年度から平成23年度にかけて改善がみられ、平成24年度は比較的安定している状況にあると見受けられる(『最近の雇用失業情勢(平成25年2月分)』東京都労働局)。
雇用対策は経済成長戦略上も重要な課題である。税制上の措置としても、平成23年度税制改正において「雇用促進税制」が創設され、平成25年度税制改正においては「所得拡大促進税制」が創設されたほか、「雇用促進税制」の拡充が図られている。
そこでこの連載では、雇用対策のための2つの税制である「雇用促進税制」及び「所得拡大促進税制」の実務について取り上げることとし、まずは雇用促進税制の概要及び適用要件についての解説を行う。
法人税の解釈をめぐる論点整理 《寄附金》編 【第1回】
法人が対価性のない、あるいは対価性の乏しい行為をすることで、第三者に対して経済的な利益の移転がなされる場合がある。そのような利益の移転行為については、法人の事業に直接又は間接的に関連する場合と、間接的にも関連しない場合があり得るが、その境界は必ずしも明確でないといえる。
そこで、そのような利益の移転行為については、それが法人の事業と直接関連することが明らかな場合を除き、寄附金に該当するものとして、一定の基準によって損金算入限度額を定めて、その限度額の範囲内でのみ損金算入を認め、それを超える部分については損金算入を認めないものとされている(法法37①)。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第1回】金融商品会計①「有価証券の取得」─受渡期間内に期末日を含む場合の約定日基準による会計処理
当社は、決算期末(3月)近くに、上場会社の有価証券を取得することを予定しています。
今回、約定日は3月30日、受渡日は4月2日と、受渡期間で期末日をまたがる予定になっています。期末時点では有価証券の受渡しが行われていませんが、期末決算になんらかの会計処理をする必要がありますか。
改正労働契約法──各企業への適用に当たっての注意点 【第1回】「法改正のポイントと無期転換ルール」
平成19年に公布された労働契約法が、昨年初めて改正された。
改正の主な目的は、簡単にいうと、不安定な有期雇用の労働者をより手厚く保護しよう、というものである。
いわゆる契約社員のみならず、パートタイマーやアルバイトを雇う場合も、かなりの場合、有期労働契約を締結しているだろう。したがって、多くの企業にとって、今回の改正には十分な理解と対策が不可欠である。
そこで、本連載の第1回及び第2回では、もっとも注目される無期転換ルールの検証と対応を検討する。さらに第3回、第4回では、雇止め法理の法定化、有期労働契約の不合理な労働条件の禁止について、今後想定される問題点とその対応をまとめることとする。
NPO法人 “AtoZ” 【第1回】「NPO法人とは何か」
平成24年4月に改正特定非営利活動促進法(以下、NPO法という)が施行された。
特定非営利活動法人(以下、NPO法人という)を新しい公共の担い手として、医療、福祉、子育て、その他様々な分野の市民活動をさらに公益活動に生かしていくことが期待されており、そのための法整備を行う改正である。
その前段階として、平成22年7月にNPO法人会計基準が公表されたことにより、それまでNPO法人ごとに異なっていた会計基準も統一されていた。
現在のNPO法人数は47,000余(H25/1/31現在、内閣府NPOホームページより)であり、その活動も介護から市民イベントまで多種多様であるが、これからもその数が増えていくことが予想されている。
「石原産業役員責任追及訴訟第一審判決」から読む会社経営者としての責任の分水嶺【1】
本件は、会社が各地に販売した土壌埋戻材(商品名:フェロシルト)が環境を汚染する物質であったこと、すなわち実質的には産業廃棄物であったことが問題となり、これを販売・搬出等したことに対する取締役の責任が問題となった事件である。
会社は、主力製品である酸化チタンの生成過程において発生する産業廃棄物である汚泥(アイアンクレー)を有効活用しようと加工し、土壌埋戻材として各地に販売した。
しかし、平成13年8月頃、搬出先の依頼により検査がなされ、フェロシルトから、発ガン性有害物質である六価クロム等有害物質が土壌環境基準値を超えて検出された。そして、会社が自社で保管しているフェロシルトを検査したところ、同様に六価クロムが検出された。それにもかかわらず、担当者が検出結果を隠匿したこともあり、会社は子会社を通じてフェロシルトを顧客に販売・搬出した。
「平成24年版 中小企業の会計に関する指針」の主な改正点と留意点 【第1回】「改正の経緯と指針の読み方」
「平成24年版 中小企業の会計に関する指針(以下「中小会計指針」という)」が、本年2月に公表された。
中小会計指針は、平成17年8月に公表され、平成18年の会社法施行に伴う純資産の部に係る取扱いの変更をはじめ、その後のわが国の会計基準(以下「日本基準」という)の動向に呼応し、毎年改定されてきた。
ただし、その改定は、日本基準の改正等をすべて受け入れたものではなかった。それは、中小企業の規模や会計情報を必要とする利害関係者は、金融機関や取引先、そして、利害関係者とはいえないが、法人の申告内容の適否を調査する課税庁であるという実態を鑑み、精緻な日本基準を適用することが中小企業の実態に合わず、中小企業の会計の質を高め、財務体質の改善等に資すると考えられなかったからである。
