税理士が知っておきたい
不動産鑑定評価の常識
【第59回】
「鑑定評価に「雑種地」という概念は存在しない」
~相続税の財産評価や固定資産税評価との相違~
不動産鑑定士 黒沢 泰
1 はじめに
【第15回】では、相続税の財産評価や固定資産税評価においては現況地目により土地を評価するところ、鑑定評価では地目は直接関係なく、その土地の属する地域(※1)一体としてどのような利用をすれば価値を最大限に発揮し得るかという観点から土地を区分(宅地、農地等)して評価する旨を述べました。
(※1) ここにいう「地域」とは現実に利用状況の類似する一かたまりの地域(=用途的地域)を指し、都市計画法上の「用途地域」(法的規制の観点から定められたもの)とは別の鑑定評価上の概念です。
そのため、現に耕作の用に供されている土地であっても、建物や構築物等の敷地の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域(=宅地地域)内にある場合は、鑑定評価上は農地としてではなく、宅地として取り扱われた上で、価格へのアプローチが行われます。
今回取り上げる内容も、相続税の財産評価や固定資産税評価における地目分類と鑑定評価上の取扱いの相違に関するものですが、【第15回】の解説からさらに1歩進み、鑑定評価に「雑種地」という概念は存在しないことと、鑑定評価では雑種地に該当する土地を評価上どのように区分しているのかについて述べたいと思います。
なお、雑種地の評価は、相続税の財産評価においても固定資産税評価においてもつかみどころがなく、難しい案件とされていることは誰しもが感じるところです。
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