〈桃太郎で理解する〉
収益認識に関する会計基準
【第18回】
(番外編③)
(最終回)
「もしおばあさんが家の前できびだんごを売り始めたら
~ポイント制度の取扱い」
公認会計士 石王丸 周夫
1 きびだんご屋、大繁盛
桃太郎が鬼退治から帰ってきて、しばらくたった頃のことです。
桃太郎の家の前で、村の子供たちや山の動物たちが、列をなして順番を待っています。
実は、おばあさんが家の前で、きびだんごを売り始めたのです。
桃太郎も戸口から出てきました。
「おばあさん、すごい行列ですね! きびだんごがこんなに人気だとは・・・」
「鬼退治ですっかり有名になったからだろうね。試しにきびだんごを作って売ってみたら、大繁盛なんだよ。」
桃太郎は「へぇ~」と言いながら、売り物のきびだんごを1つ手に取ると、そのまま家に入ろうとしました。それを見たおばあさんはすかさず、横に置いてあったハンコを桃太郎に渡して言いました。
「ほら、桃太郎! 奥になんか引っ込まないで、これを押すのを手伝っておくれよ!」
「なんですか、それは?」
「これはね・・・」おばあさんは得意気に答えました。「『桃印のハンコ』なんだよ。きびだんごを1つ買ってくれたら、紙にこれを1個押して渡してあげるのさ。それでもって、次にまた買いに来てくれた時は、その桃印の紙を出してくれれば、少しおまけしてあげるんだよ。」
「・・・なるほど、みんなも喜びそうだなあ。」
桃太郎はそう言って感心すると、桃印のハンコを押すのを手伝いました。
桃太郎の舞台は岡山です。岡山駅に行くと、お土産コーナーのあちこちで、きびだんごが売られています。桃太郎の家でもきびだんごを作って売っていたのではないでしょうか。そんな勝手な想像をして、今回のお話を設定してみました。
おばあさんは、きびだんごを買ってくれたお客さんに桃印のスタンプを押してあげます。お客さんが、次回以降の買い物時に、それをきびだんごの代金に充当できるのです。
これは、いわゆる「ポイント制度」ですね。
このようなポイント制度を採用して販売する場合、収益認識会計基準では、おばあさんが販売したきびだんごをどのように会計処理するのでしょうか(今回は、おばあさんが収益計上の主体です)。
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