延滞税の除算期間に係る計算期間の特例の見直しについて~最高裁判決を受けた平成28年度税制改正事項~
延滞税は、法定納期限までに国税が完納されなかったときに、未納額及び遅延期間に応じて課されるものであるが(通法60)、長期間に遡って更正処分がされた場合等は、延滞税の計算期間から一定期間を除くこととされている(通法61)。
これが、いわゆる「除算期間」(計算期間の特例)である。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第15回】「弁護士夫婦事件」~最判平成16年11月2日(集民215号517頁)~
今回紹介する判例は、弁護士Xが、配偶者A(Xと生計を一にするが、Xとは独立して弁護士業を営んでいる)に対し、Xの業務に従事した労務の対価として報酬を支払い、これを事業所得の必要経費に算入して所得税の確定申告をしたところ、Y税務署長が、所得税法56条を適用し、Aへの報酬を必要経費に算入することを認めず、更正処分を行ったという事案である。
最高裁は、所得税法56条の適用を肯定し、Xの主張を認めなかった。
包括的租税回避防止規定の理論と解釈 【第16回】「不当の意味と課税要件明確主義」
前回は、明治物産株式会社事件(最高裁昭和33年5月29日判決)について解説を行った。矢内一好著『一般否認規定と租税回避判例の各国比較』(財経詳報社、平成27年)122-123頁では、争点8として租税法律主義を支持する判決として昭和51年7月20日判決が紹介されているが、本判決は本連載の第11回で紹介した。
〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第29回】「請負に関する契約書⑤(バナー広告掲載契約書)」
【問】当社のホームページ上にバナー広告を掲載することを受託した際に、「バナー広告掲載契約書」を作成していますが、課税文書に該当しますか。
また、課税文書に該当した場合、印紙税額はいくらになりますか。
ストーリーで学ぶIFRS入門 【第2話】「IFRSの特徴は大きく3つ」
「お前さ、英語苦手だろ?」
図星を指されて、桜井は一瞬口ごもる。学生時代は英語が不得意だったわけではない。受験英語は数学のように理屈で解けたため、英単語さえ押さえておけば何とかなった。でも、会話やニュースのように実際に生きている英語となるとそうはいかない。読むにしても聴くにしても全く理解できず、脳みそがフリーズしてしまうのだ。
金融商品会計を学ぶ 【第22回】「ヘッジ会計③」
前回に引き続き、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号。以下「金融商品会計基準」という)及び「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号。以下「金融商品実務指針」という)におけるヘッジ会計について述べる。
なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第116回】引当金の会計処理④「リコール損失引当金」
〔Q〕
当社は、当期以前に販売済みの製品が安全上の問題を起こす可能性があるとして、自主的に製品の回収を行うことを決定しました。
この場合に必要となる会計処理について教えてください。
monthly TAX views -No.41-「アベノミクス失敗の反省なき財政出動は愚策」
予想通りというべきか、安倍総理はG7サミットの議論を材料に、来年4月からの消費増税を2年半延期する(2019年10月から)意向を示した。
2年前「増税を再び延期することはない」と明言し、「消費増税のできる経済環境を整える」と自らの口で語っていたので、リーマンショック並みの経済変動が起きているわけでもない今日の増税延期は、安倍政権の経済運営であるアベノミクスの失敗、そのよって立つリフレ派の考え方が間違いであったことが明らかになったといえよう。
「少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例」平成28年度改正のポイント 【第2回】「改正後の適用対象法人の確認」
前回説明したとおり、今回の改正により、適用対象法人に制限が加えられた。改正前は、中小企業者のうち資本又は出資があるものについては、その資本金の額又は出資金の額が1億円以下の中小企業者であれば、この特例の適用を受けることができた。
