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金融・投資商品の税務Q&A 【Q7】「外貨建の利付債券の償還時に生じた為替差損益の取扱い」

筆者:箱田 晶子

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金融投資商品税務

【Q7】

「外貨建の利付債券の償還時に生じた為替差損益の取扱い」

 

PwC税理士法人
金融部 パートナー
税理士 箱田 晶子

 

[Q]

私(居住者たる個人)が国内証券会社の口座で保有している外国法人発行の米ドル建債券が、このたび額面金額(米ドル建)の100%にて償還がなされました。取得時点よりも円安になっていたため、日本円ベースに換算すると為替差益が生じています。
この為替差益相当はどのように課税されますか。

この社債は毎月利子が支払われる債券であり、税務上の特定公社債に該当します。

  • 債券の額面金額:100,000ドル
  • 取得価額:100,000ドル
  • 取得時の為替レート(TTS):100円/ドル(円からドルへの交換と債券の取得は同日)
  • 償還価額:100,000ドル
  • 償還時の為替レート(TTB):110円/ドル

[A]

利付債券の取得価額及び償還価額をそれぞれ日本円ベースに引き直して計算した差益部分が、上場株式等に係る譲渡所得等として申告分離課税の対象となります。

為替差益については、上場株式等の譲渡所得等の計算上含まれて計算されるため、別途為替差益として認識する必要はありません。

検 討

税務上、公社債の償還差益及びそれに伴う為替差損益に対する課税については、従前は原則雑所得として総合課税の対象とされていました。しかし、平成26年度税制改正により、平成28年1月1日以後は、譲渡と同様に取り扱われることとなりました。

なお、発行日が平成27年12月31日以前の公社債についても、譲渡日が平成28年1月1日以後の場合は、新税制が適用されます。

 

1 償還差損益の課税

平成28年1月1日以後、公社債の元本の償還(買入償還を含む)により交付を受ける金銭の額及び金銭以外の資産の価額(元本の価額の変動に基因するものを含む)は、公社債の譲渡に係る収入金額とみなされます。これは、債券が特定公社債か一般公社債かを問わず、同じ取扱いとされます。

したがって、本件の債券(特定公社債)の償還により支払を受ける金銭等については、公社債の譲渡による収入金額として取り扱われ、他の所得と区分し、上場株式等の譲渡による事業所得、譲渡所得及び雑所得(以下、「上場株式等に係る譲渡所得等」)として、申告分離課税(所得税及び復興特別所得税15.315%、住民税5%)が適用されます。特定口座内において証券会社により源泉徴収がなされる場合を除き、原則として申告が必要です。

 

2 償還差損益の計算

国外発行の公社債の元本の償還により交付を受ける金銭等の邦貨換算については、公社債の区分に応じ、それぞれ以下の日におけるTTBにより円換算した金額となります。

記名のもの:償還期日

無記名のもの:現地保管機関等が受領した日(ただし、現地保管機関等からの受領の通知が著しく遅延して行われる場合を除き、金融商品取引業者が当該通知を受けた日とすることも可)

為替レートは、対価の支払をする者(すなわち国内証券会社)の主要取引金融機関(その支払者が対顧客直物電信買相場を公表している場合にはその支払者)の当該外貨に係るTTBにより邦貨換算した金額によります。

なお、債券の取得価額の邦貨換算は、取得した債券の外貨金額を取得時のTTSで換算した金額となります。

結果として、為替差損益部分については、上場株式等の譲渡に係る譲渡所得に含められることになり、別途雑所得として区分する必要はないと考えられます。

 

3 本件へのあてはめ

おたずねの場合、以下の金額が上場株式等に係る譲渡所得等の金額として取り扱われます(購入手数料や売却手数料はないものとします)。

〈計算例〉
  • 取得価額:100,000ドル × 100円/ドル(TTS) = 10,000,000円
  • 償還金額(譲渡収入):100,000ドル × 110円/ドル(TTB) = 11,000,000円
  • 譲渡所得等:11,000,000 - 10,000,000 = 1,000,000円

【参考(関連条文)】
措法第37条の10、第37条の11
措通37の10・37の11共-6

(了)

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金融・投資商品の税務Q&A

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筆者紹介

  • 箱田 晶子

    (はこだ・あきこ)

    PwC税理士法人 金融部 パートナー。 税理士。

    金融機関、ファンド等に対し、内外の投資信託、仕組債、リッパケージローン等の金融商品に関する税務上のアドバイス、クロスボーダーのファンド投資ストラクチャー組成に関する税務コンサルティングサービスを数多く行っている。

    【主な共著書】
    ・『金融・投資商品の税務Q&A』共著(清文社)
    ・『逐条解説投資信託約款』共著(金融財政事業研究会)
    ・『投資ストラクチャーの税務(九訂版)』共著(税務経理協会)
    ・『信託の税務』共著(税務経理協会)
    ・『法人税重要事例400』共著(税務研究会)

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