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〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第20回】「推計課税に求められる「必要性」と「合理性」」

本件調査において、調査担当職員は、請求人に対し、再三にわたり帳簿等を提示するよう求めたにもかかわらず、請求人は様々な理由を付けてこれを拒否したものである。(略)これらによれば、調査担当職員は、本件調査によるも、請求人の事業所得の金額について実額で把握するに足りる資料を得られなかったものと認められるから、推計の必要性を肯定することができる。

#No. 580(掲載号)
# 大橋 誠一
2024/08/01

決算短信の訂正事例から学ぶ実務の知識 【第5回】「自己株式消却の会計処理」

今回は自己株式の消却の会計処理の誤りを取り上げます。
「自己株式の消却」は「自己株式の処分」とは別のことを指します。自己株式の処分は自己株式を手放すことですが、自己株式の消却は自己株式を消滅させることをいいます。自己株式残高が貸借対照表上で減少する点は同じですが、自己株式を手放すことによってそうなるのか、自己株式を自ら消滅させることによってそうなるのかの違いがあります。

#No. 580(掲載号)
# 石王丸 周夫
2024/08/01

〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第51回】「M&Aに第三者を入れるべきか、入れなくても可能か」

経営全般、販路拡大、業務改善、DX、新規事業、新製品開発、業務効率化や生産性向上、管理会計の導入など、中小企業には数えきれない課題があります。大企業に比べてリソースが限られる中小企業では、数ある課題の中で、重要性と緊急性との兼ね合いに応じて優先度を自己判断で決め、実行に移しているケースが大半です。

#No. 580(掲載号)
# 荻窪 輝明
2024/08/01

《速報解説》 大阪国税局、DC制度への移行に伴い同制度の資格得喪者(移行月の退職者)に対して支払われるDB制度の終了に伴う分配金の退職所得該当性を示した文書回答事例を公表

大阪国税局は、令和6年6月20日付(ホームページ掲載日は令和6年7月17日)で文書回答事例「確定拠出年金制度への移行に伴い同制度の資格得喪者(移行月の退職者)に対して支払われる確定給付企業年金制度の終了に伴う分配金の退職所得該当性について」を公表した。

# Profession Journal 編集部
2024/07/31

谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第40回】「青色更正の理由附記に関する判例法理」-最判昭和38年5月31日民集17巻4号617頁の「原理論」及び「技術論」とその後の展開-

租税法律主義は法律に基づく課税を命じるが、憲法における適正手続の保障(13条、31条)の税法における具体化として課税の手続が適正なものであることを要請する。この要請を手続的保障原則(金子宏『租税法〔第24版〕』(弘文堂・2021年)87頁、拙著『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)【27】等参照)というが、これは課税処分の手続についても妥当する。

#No. 579(掲載号)
# 谷口 勢津夫
2024/07/25

令和6年度税制改正における『グループ通算制度』改正事項の解説 【第3回】

大企業につき研究開発税制その他生産性の向上に関連する税額控除の規定(特定税額控除規定)を適用できないこととする措置について、資本金の額等が10億円以上であり、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合及び前事業年度の所得の金額が0を超える一定の場合のいずれにも該当する場合における要件の上乗せ措置について、次の見直しを行った上、その適用期限を3年延長する(新措法42の13⑤⑦)。

#No. 579(掲載号)
# 足立 好幸
2024/07/25

学会(学術団体)の税務Q&A 【第7回】「学会誌と棚卸資産(法人税)」

無償配布を前提としている学会誌について、棚卸資産を計上すべきでしょうか。

#No. 579(掲載号)
# 岡部 正義
2024/07/25

「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例136(消費税)】 「休眠会社再開に当たり、決算期を親会社と同じに変更したいとの相談を受けた際、免税事業者である期間が短くなるとの説明を怠ったため、変更により課税事業者となった期間の消費税額につき損害賠償請求を受けた事例」

休眠会社再開に当たり、2月だった決算月を親会社と同じ3月に変更したいとの相談を受けた。税理士は特に何のアドバイスもせずに事業年度変更の異動届出書を提出し、実行したが、決算期変更により基準期間が変わったため、事業年度を変更しなければ免税事業者であったX2年4月からX3年2月の期間が課税事業者になってしまった。
これにより、依頼者より、消費税の免税事業者となる期間が短くなるとの説明を受けていれば今期に事業年度の変更は行わなかったとして、事業年度を変更していなければ免税事業者であった期間に係る消費税額につき損害賠償請求を受けた。

#No. 579(掲載号)
# 齋藤 和助
2024/07/25

固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第39回】「倍率方式で算定した相続税評価額は時価を上回るため違法であるという請求が認められなかった事例」

相続税法22条において、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価と定められている。よって、「相続または贈与による財産の取得後に何らかの理由によってその価額が低落した場合も、課税価格に算入されるべき価額は、別段の定めがない限り、相続時または贈与時のその財産の時価である」。

#No. 579(掲載号)
# 菅野 真美
2024/07/25

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