〔まとめて確認〕会計情報の四半期速報解説 【2022年7月】第1四半期決算(2022年6月30日)
3月決算会社を想定し、第1四半期決算(2022年6月30日)に関連する速報解説のポイントについて、改めて紹介する。
基本的に2022年4月1日から6月30日までに公開した速報解説を対象としている。
具体的な内容は、該当する速報解説をお読みいただきたい。
《速報解説》 経済産業省が「CGSガイドライン」の改訂を公表~GS改善を通じた企業価値向上には執行・監督側双方の機能強化を相乗的に推進する必要性を提言~
2022年7月19日、経済産業省は、「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)」を改訂し公表した。
コーポレートガバナンスの改革が会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与する経路を改めて整理し、また、ガバナンス・システムの改善を通じて企業価値を高めるためには、監督側だけでなく、執行側と監督側の双方の機能強化を相乗的に推し進めていく意識が必要であることを提言している。
《速報解説》 従業員持株会を通じて取得した譲渡制限付株式に係る譲渡制限解除後の特定口座への受入れ可否について、東京国税局より文書回答事例が示される
令和4年7月8日、国税庁ホームページに、東京国税局による文書回答事例「従業員持株会を通じて取得した譲渡制限付株式に係る譲渡制限解除後の特定口座への受入れ可否について」が公表された(回答年月日は令和4年6月23日)。
当該文書回答事例は、特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例(措法37条の11の3)に関して、その取扱いについて明らかにしたものである。
《速報解説》 金融庁、マニュライフ生命に対して節税保険商品販売等に係る業務改善命令を発出~商品審査・モニタリング段階における国税庁との連携強化策も公表~
令和4年7月14日付で金融庁は、マニュライフ生命保険株式会社(以下「マニュライフ生命」)に対して、業務改善命令を発出した。
処分が行われたのは、保険本来の趣旨を逸脱するような商品(過度な節税商品)開発や募集活動を行ったこと、営業優先企業文化やコンプライアンス、リスク管理を軽視する企業風土が問題視されたからである。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第109回】「節税商品取引を巡る法律問題(その3)」
節税商品取引を抽出して検討する第二の理由は、節税商品の特殊構造ゆえ、一般的金融商品取引とは別に説明義務が検討される必要があるということである。
これは①商品の二重構造性、リスクの二重構造性、商品の新規性という「特殊構造」や、②節税商品取引における説明内容の二重構造性から、特有の説明義務が要請される必要があるということ。更には、③説明義務者の専門的知識の欠如の問題にも節税商品取引に係る特有な問題が介在するということである。
これら節税商品取引の説明義務に係る特殊構造から、他の一般的金融商品取引に係る投資者保護の議論とは異なる捉え方が必要となるのである。
谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第4回】「国税通則法3条」-人格のない社団等の租税手続当事者能力-
国税通則法3条は、「法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの」すなわち人格のない社団等に対する国税通則法の適用上、これを法人とみなす旨を規定している。今回は、人格のない社団等に関する国税通則法上の取扱いについて、同法3条の規定を中心に検討することにする。
〔疑問点を紐解く〕インボイス制度Q&A 【第16回】「公共サービスを受けたときのインボイス交付の有無」
次のような公共サービスを受けたときにインボイスは交付されますか。
① 法務局で登記事項証明書を取得した
② 保健所で飲食店業の許可を取得した
③ 市役所に用事があり、市役所の駐車場に1時間駐車して駐車場代を支払った
④ 市の広報誌に広告を掲載し、広告料を支払った
⑤ 水道料金、事業系ごみ処理手数料を支払った
⑥ 公立病院で健康診断を受診した
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第43回】「相続時精算課税の留意事項」
当社(A社)は私(X)が創業し、これまで会社の業績は堅調に推移してきました。
しかしながら、最近の輸送コスト上昇等による仕入価格高騰により業績が悪化し、前期は創業以来の最大の赤字となり、資金繰りにも頭を悩ませています。
一方で、私は昨年60歳を迎えたことから、息子Y(A社取締役)への事業承継について検討を始めており、私が所有する本社工場の土地(A社へ賃貸借)についてもA社株式とまとめて息子Yへ贈与したいと考えています。
経営環境が悪化する前は、当社の純資産は大きく、毎期利益も計上できていたため、株価が高い状態でしたが、前期は赤字決算であったため株価は従来よりも大きく下がりそうです。なお、業績悪化に対しては抜本的な解決策が見つかっており、来期はV字回復する見込みです。
そこで、株価の低いこのタイミングで相続時精算課税制度を利用して、息子YへA社株式を贈与したいと思っています。相続時精算課税を適用する際に留意すべき点を教えてください。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第44回】「新築マンションの空室がある場合の貸付事業用宅地等の特例の適否」
被相続人である甲は令和4年5月1日に相続が発生しました。甲の所有する賃貸用のAマンション、Bマンションを配偶者である乙が相続し、引き続き、貸付事業の用に供しています。
不動産の利用状況は下記の通りです。