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谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」 【第31回】「租税法律主義と租税回避との相克と調和」-個別的否認規定と個別分野別の一般的否認規定との関係(その1)-

前回は、租税回避否認規定の類型を整理した上で、一般的否認規定の意義と問題を検討し、最後に、現行税法上の個別分野別の一般的否認規定についてその「具体的な相貌」(志場喜徳郎ほか共編『国税通則法精解〔平成31年改訂/16版〕』(大蔵財務協会・2019年)26頁)を明らかにしていくことが必要である旨を述べた。今回から、そのための検討作業の一環として、個別的否認規定との関係を検討することにしたい。
具体的には、組織再編成に係る行為計算の否認規定(法税132条の2)と未処理欠損金額の引継ぎに係る個別的否認規定(同57条3項)との関係(とりわけ適用関係)について、ヤフー事件・最判平成28年2月29日民集70巻2号242頁(以下「ヤフー事件最判」という)とTPR事件・東京地判令和元年6月27日(未公刊・LEX/DB文献番号25564253。以下「TPR事件東京地判」という)との比較検討を通じて、検討することにする。

#No. 360(掲載号)
# 谷口 勢津夫
2020/03/12

事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第15回】「資本金等の額が大きい会社の自己株式の取得」

私Kは不動産管理業を営む非上場会社T社の代表取締役社長(65歳)です。
私には、長男A(35歳)と次男B(33歳)がいます。Aはサラリーマンで、不動産業にも会社経営にも興味はないようです。Bは障害をもっており、私の扶養で妻が面倒を見ています。
このような状況ですので、T社は私の代で清算させようと思っています。小規模企業ですので、費用対効果からM&Aも検討していません。
私もまだ元気ですし、今すぐ会社を清算するつもりはありませんが、Bが障害をもっていることもあり、私の身に“万が一”のことがあった時が心配です。そのため、T社の現預金の一部を拠出し、将来、Bが安心して住める不動産だけでも予め取得し、遺言で相続させたいと考えています。
この場合の現預金の拠出方法について、この先数年間の配当や役員報酬を増額して原資とすることも考えましたが、私の所得税等の負担が大きくなってしまいます。何か良い方法はありますか。

#No. 360(掲載号)
# 太陽グラントソントン税理士法人 事業承継対策研究会
2020/03/12

金融・投資商品の税務Q&A 【Q53】「特定口座で保有する証券投資信託に係る外国所得税の二重課税調整」

外国の株式に投資している日本の証券投資信託を保有していますが、令和2年1月1日以降に支払われる分配金から、外国の所得税と日本の所得税の二重課税が生じないように調整されるようになったと聞きました。具体的にはどのような調整が行われるのでしょうか。
また、その調整に関して、源泉徴収ありの特定口座で証券投資信託を保有する個人投資家側で必要となる手続きはありますか。

#No. 360(掲載号)
# 西川 真由美
2020/03/12

さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第57回】「借入金利子事件」~最判平成4年7月14日(民集46巻5号492頁)~

Xは、Aから、自己の居住用として本件土地建物を購入し、B銀行から資金を借り入れて、購入代金3,000万円を支払った。資金の借入から51日後に、Xは、本件土地建物を自己の居住の用に供した。Xは、数年の間、B銀行に借入金の分割返済を行い、併せて当該借入金についての利子の支払も行った。
その後、Xは、Cに対し、本件土地建物を売却した。その際の譲渡益につき、所得税の確定申告において、B銀行に支払った借入金利子の全額を取得費に算入した。これに対し、Y税務署長は、取得費に算入できるのは、資金の借入から本件土地建物を自己の居住の用に供するまでの51日間に対応する利子38万円のみであるとして、Xに対し、更正処分をした。そこで、Xが更正処分の取消しを求めて提訴したのが本件である。

#No. 360(掲載号)
# 菊田 雅裕
2020/03/12

収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第24回】

法人税法における従来の議論においては、次の3つの意味で確定決算主義という用語が使われてきた(平成8年11月 政府税制調査会「法人課税小委員会報告」第一章の四3参照)。
① 商法(会社法)上の確定決算に基づき課税所得を計算し、申告すること(法人税法74条1項参照)
② 課税所得計算において、決算上、費用又は損失として経理されていること(損金経理)等を要件とすること(法人税法2条25号、31条1項、33条2項など参照)
③ 別段の定めがなければ、「一般に公正妥当な会計処理の基準に従って計算する」こと(法人税法22条4項)

#No. 360(掲載号)
# 泉 絢也
2020/03/12

〔会計不正調査報告書を読む〕 【第97回】ネットワンシステムズ株式会社「特別調査委員会中間報告書(2020年2月13日付)」

2019年12月13日、独立系のIT企業2社が、ほぼ同じような内容のリリースを出した。1社は本稿で取り上げたネットワンで、もう1社は日鉄ソリューション株式会社(以下「NSOL」と略称する)である。その内容は、「国税局による税務調査の過程で、取引の実在性に疑義が指摘された」ことを理由に、特別調査委員会を設置するというものであった。
2つのリリースの本当の意味がわかったのは、翌年1月18日、株式会社東芝による連結子会社における不適切会計の公表と、その後、マスコミ各社の報道により、不適切会計の取引先として、ネットワンとNSOLの両社が判明したという記事(同月22日)であった。

#No. 360(掲載号)
# 米澤 勝
2020/03/12

2020年3月期決算における会計処理の留意事項 【第2回】

「会社法の一部を改正する法律」(以下「改正会社法」という)及び「会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(以下「整備法」という)が、2019年12月4日に成立し、同年12月11日に公布された。
改正点は、以下のとおりである。

#No. 360(掲載号)
# 西田 友洋
2020/03/12

計算書類作成に関する“うっかりミス”の事例と防止策 【第32回】「計算書類における「0」の表記に注意」

【事例32-1】の連結株主資本等変動計算書には、記入漏れが1ヶ所と記入ミスが1ヶ所あります。いずれも数値欄です。どこだかわかりますか?
これは難問かもしれません。単純なミスなのですが、気がつきにくいのです。「まずは計算チェックでもやってみよう」と思った方は、思いとどまってください。それをやっても見つからない可能性が高いです。

#No. 360(掲載号)
# 石王丸 周夫
2020/03/12

《速報解説》 金融庁、時価算定会計基準への対応として「財務諸表等規則」等を改正~令和3年4月1日以後開始事業年度から適用も経過措置に留意~

2020(令和2)年3月6日、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」(内閣府令第9号)が公布された。これにより、令和元年12月12日から意見募集されていた改正案が確定することになる。内閣府令(案)等に対するパブリックコメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方も公表されている。

#No. 359(掲載号)
# 阿部 光成
2020/03/06

《速報解説》 指定国際会計基準適用企業の開示負担軽減を目的とした改正開示府令が公布、同日施行される~コメントを受け一部修正も~

令和2年3月6日、「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(内閣府令第10号)が公布された。これにより、令和元年12月12日から意見募集されていた改正案が確定することになる。

#No. 359(掲載号)
# 阿部 光成
2020/03/06
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