〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載13〕 従業員から役員になった場合の退職金計算の問題点【その2】
本誌 No.5(2013/2/7公開)に掲載した拙稿「従業員から役員になった場合の退職金計算の問題点」(以下「前回分」という)において、従業員が役員になった場合の退職金支給方法は様々なパターンが考えられるが、大きく分けると、以下の2つであることを示した。
【1】 役員退任時に、従業員分と役員分をまとめて払う場合(前回分参照)
【2】 従業員退任時に従業員分を、役員退任時に役員分を支給する場合
前回分では【1】について述べたが、今回は【2】について解説を行うこととする。前回分と併せてご覧いただきたい。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第1回】金融商品会計①「有価証券の取得」─受渡期間内に期末日を含む場合の約定日基準による会計処理
当社は、決算期末(3月)近くに、上場会社の有価証券を取得することを予定しています。
今回、約定日は3月30日、受渡日は4月2日と、受渡期間で期末日をまたがる予定になっています。期末時点では有価証券の受渡しが行われていませんが、期末決算になんらかの会計処理をする必要がありますか。
「平成24年版 中小企業の会計に関する指針」の主な改正点と留意点 【第3回】「各論における改正事項『固定資産・引当金』」
「平成24年版 中小企業の会計に関する指針」(以下「中小会計指針」)では、「有形固定資産の減価償却の方法は、定率法、定額法その他の方法に従い、耐用年数にわたり毎期継続して適用し、みだりに変更してはならない。」(中小会計指針34項)としている。
各企業が減価償却方法や使用期間を任意に定め、随時変更することが可能となると、一企業の事業年度間や同業他社間での比較可能性が損なわれ、債権者等の利害関係者や特に中小企業においては経営者にとって有用な会計情報を得ることができない可能性がある。
《速報解説》 金融商品取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う金融庁関係内閣府令の整備等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令の改正ポイント
Ⅰ 改正された内閣府令
「金融商品取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う金融庁関係内閣府令の整備等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(内閣府令第14号)が平成25年3月29日に公布された。
Ⅱ 主な改正内容等
平成21年6月24日に公布された「金融商品取引法等の一部を改正する法律」(平成21年法律第58号)。以下「改正法」という)による金融商品取引法の改正により、「有価証券の売出し」に係る開示規制は大きく見直しが行われた。これらを実施するための政府令に、平成21年12月28日に公布された「金融商品取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う金融庁関係内閣府令の整備等に関する内閣府令」(平成21年内閣府令第78号。以下「改正府令」という)がある。
《速報解説》 金融庁 企業会計審議会開催~不正リスク対応基準を承認。IFRSの議論はかみ合わず
金融庁は3月26日、企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議を開き、「監査基準の改定及び監査における不正リスクの対応基準の設定に関する意見書」を承認するとともに、IFRSについて、カナダと韓国における適用状況の報告及び我が国の当面の対応について意見交換を行った。
《速報解説》 商業・サービス業・農林水産業活性化税制の創設─平成25年度税制改正
平成25年1月29日に閣議決定した平成25年度税制改正大綱(本稿公開時点では改正法案が参議院にて審議中)において、中小企業活性化のために設備投資を促進する税制が創設された。
具体的には「商業・サービス業及び農林水産業を営む中小企業等の経営改善に向けた設備投資を促進するための税制措置の創設」という(改正法案では租税特別措置法42条の12の3)。
ここではその内容について解説する。
後発的事由による更正の請求と未分割財産
Q 父の2回目の命日に、母と私と兄と姉の4人は、協議によりその遺産分割を完了しました。法定申告期限までに相続税の申告書は提出済みですが、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の減額特例を適用したところで申告し直したいと思います。更正の請求は、いつまでにすればよいのでしょうか。
〔平成9年4月改正の事例を踏まえた〕 消費税率の引上げに伴う実務上の注意点 【第16回】税率変更の問題点(15) 「税込処理における消費税の転嫁に関する問題」
平成9年4月の税率改正時においても問題となった項目であるが、消費税につき税込価格を前提として事業を行っている事業者が1円単位まで徴収することが可能かどうかといった問題点がある。
今回の税率改正では、平成16年4月の総額表示義務規定の創設により、平成9年の改正時よりも価格の表示や設定につき厳密に取り扱われる可能性があり、注意が必要である。
この問題において、特に注意が必要な事業として、事業の性質上、消費税込みの対価の額を10円単位や100円単位で設定しなければならない事業者が考えられる。
『日米租税条約 改定議定書』改正のポイントと実務への影響 【第3回】「徴収共助の拡大」
“徴収共助”とは、異なる国家間における租税債権の徴収に関する相互協力の枠組みをいう。
例えば、外国企業が我が国から撤退する際に税金の滞納をしたままであった場合、我が国の滞納税金の徴収を当該外国企業の所在地を管轄する外国政府に要請し、外国政府が税金を徴収して送金してくれるといったことを可能にする。
これには相互協力が基本なので、逆に我が国が外国から要請された場合は、国税庁が外国の税金を徴収し、外国政府に送金しなければならない。
〔平成25年4月1日以後開始事業年度から適用〕 過大支払利子税制─企業戦略への影響と対策─ 【第4回】「控除対象受取利子等合計額」 及び「関連者純支払利子等の額」
前回は、本制度による損金不算入額計算の第一段階である「関連者支払利子等の額」に関して、確認すべきポイントを解説した。
今回は第二段階として、その「関連者支払利子等の額」の合計額から控除されることとなる「控除対象受取利子等合計額」及び控除した残額となる「関連者純支払利子等の額」について解説を行う。
「関連者支払利子等の額」の合計額から控除されることとなる「控除対象受取利子等合計額」とは、法人の事業年度の受取利子等の額の合計額を、その事業年度の関連者支払利子等の額の合計額のその事業年度の支払利子等の額の合計額に対する割合で按分した金額として、次の算式により計算した金額をいう(措法66の5の2③、措令39の13の2⑯)。