《速報解説》 国税庁、パブコメを経てマンション評価に係る通達「居住用の区分所有財産の評価について」を公表~原案より一部修正、令和6年以後の相続等から適用~
国税庁は2023年10月6日、年初からの「マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議」での議論を経て8月31日まで意見募集(パブリックコメント)を行っていた「居住用の区分所有財産の評価について」を公表した。この新たな個別通達は令和6年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価から適用される。
monthly TAX views -No.128-「大型経済対策がインフレタックスを加速させる」
岸田首相は9月26日、10月中に経済対策をとりまとめるよう指示するとともに、「成長の成果である税収増を国民に適切に還元すべきだ」と語った。現在生じている税収増は本当に「成長の成果」といえるものなのか、検証してみたい。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例56】「有価証券評価損の誤計上に対する減額更正に係る嘆願書の効力」
私は、中部地方の政令指定都市に隣接する市において、主として光学医療機器の製造・販売を行う株式会社X(資本金30億円で3月決算)に勤務し、現在経理部長を務めている者です。医療機器は、分野によって異なりますが、海外の製品が強い分野があったり、逆にわが国のメーカーが強い分野があったりと様々な状況といえますが、わが社が扱う光学医療機器(医用光学機械)は、比較的わが国のメーカーが強い分野ではないかと思われます。そのため、わが社もこれまで順調に利益を計上し内部留保を積み上げてきましたが、その再投資先として同業ないし隣接する分野の他社の株式(いずれも上場企業)を購入してきたという経営トップの意思決定は、結果としてみれば、あまり適切ではなかったように思われます。
〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第10回】「所得税基本通達2-47に定める「生計を一にする」の判定」
① 審査請求人(請求人)は、平成23年8月に死亡した被相続人の子であり唯一の相続人である。
② 被相続人は昭和24年にA市B区C丁目24番25に住所を定め、以後、死亡まで住民票上の住所に異動はなかった。
③ 請求人及び被相続人は平成4年12月までは、被相続人の居宅に同居していたが、請求人は同日A市C区内に転居し、他方、被相続人は同日以降も引き続き同人の居宅に単身で居住した。
④ 請求人は、平成8年7月、被相続人の配偶者の死亡により相続(持分2分の1・他の2分の1は被相続人が相続)したA市B区C丁目21番3の宅地(本件宅地)上に居宅を建築し、同地に住所を定め、以後、被相続人の相続開始日まで住所に異動はなかった。
⑤ 被相続人の相続税申告において、請求人が取得した本件宅地の被相続人持分につき、小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)を適用した。
⑥ 原処分庁は、請求人に小規模宅地等の特例の適用はない等の理由により更正処分をした。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q83】「付与契約の内容を変更した税制適格ストックオプションの行使により取得した株式の譲渡」
私(居住者たる個人)は、勤務先(上場を目指すスタートアップ企業)から税制適格ストックオプションを付与されていますが、今般、2023年8月に、当該ストックオプションに係る契約を変更して権利行使価額を引き下げると聞きました。引下げ後の権利行使価額に基づいて当該ストックオプションを行使したことにより取得する株式を、上場後に譲渡する際に留意することはありますか。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第27回】
暗号資産について、資金決済法上、代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値と規定されていることや、消費税法上も支払手段に類するものとして位置付けられていること自体はそのとおりであるが、いくつか指摘しておくべきことがある。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第34回】「外国関係会社の課税対象金額の意義」
外国子会社合算税制において、内国法人の所得の金額の計算上益金に算入される外国関係会社の課税対象金額は、平成17年度の税制改正において、その内国法人が有する請求権の内容を勘案した数又は金額を用いて算定されるとされ、いわゆる持株基準割合から、利益持分割合に応じて合算されることとなりましたが、その改正の趣旨はどのようなものでしょうか。
〈一から学ぶ〉リース取引の会計と税務 【第9回】「その他のリース取引の会計処理(借手)」~中途解約した場合、少額リース資産及び短期のリース取引、オペレーティング・リース取引~
前回まで、ファイナンス・リース取引の借手の会計処理について整理しました。今回は、【第7回】、【第8回】で扱わなかったファイナンス・リース取引の会計処理(中途解約した場合の会計処理、少額リース資産及び短期のリース取引の会計処理)とオペレーティング・リース取引の会計処理についてみていきます。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第147回】株式会社ビジョナリーホールディングス「責任調査委員会調査報告書(2023年7月25日付)」
株式会社ビジョナリーホールディングス(以下「ビジョナリーHD」と略称する)は、1976年7月に設立した有限会社メガネスーパーによって全国展開していた店舗を集約化して株式会社メガネスーパーに組織変更した後、2017年11月に株式会社メガネスーパーの単独株式移転により設立された。眼鏡・コンタクトレンズの小売事業を主たる事業とする。連結子会社5社を有している。連結売上27,001百万円、経常利益464百万円、資本金184百万円。従業員数1,377名(2023年4月期連結実績)。エムスリー株式会社(報告書上の表記は「C1社」)が発行済株式の32.88%を有する筆頭株主である。本店所在地は東京都中央区。東京証券取引所スタンダード市場上場。会計監査人はPwCあらた有限責任監査法人東京事務所。なお、前任の会計監査人は、RSM清和監査法人(2021年4月期まで)。
〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第42回】「金融機関、顧問だからこそ知りうるM&Aの兆候と可能性(買い手編)」
今回は、第三者視点で、買い手となりうる候補企業のM&Aの兆候や可能性について検討するためのヒントになりうる内容を紹介します。