会計上の『重要性』判断基準を身につける~目指そう!決算効率化~ 【第11回】「重要性判断の実践事例②」~連結作業時の債権債務消去の簡略化
連結作成手続における「債権債務の消去」とは、連結会社間の対応する債権債務を相殺する手続です。たとえば親子会社間取引で、親会社側で子会社に対する売掛金が10百万円、子会社側で親会社に対する買掛金が10百万円発生していれば、これを相殺するというものです。
この債権債務がピタリと一致していれば苦労しないのですが、現実には一致しないことがままあります。
原因としてはいくつかあります。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第94回】人件費に関する会計処理⑤「役員賞与引当金」
Q 取締役に対して、当期の功労に報いるため、利益の一部を賞与の支給という形で分配をすることを考えております。当期の株主総会で役員賞与の支給に関する決議が必要となりますが、決議された場合に関する会計処理について教えてください。
〔会計不正調査報告書を読む〕【第36回】株式会社東芝「過年度決算の修正,2014年度決算の概要(平成27年9月7日付)」
株式会社東芝(以下「東芝」という)は、平成27年9月7日「過年度決算の修正、2014年度決算の概要及び第176期有価証券報告書の提出並びに再発防止策の骨子等についてのお知らせ」と題するリリースその他を公表し、同日夕刻には、代表執行役社長による記者会見が行われた。
本稿では、東芝が、平成27年7月20日に第三者委員会調査報告書(以下「報告書」という)を受領した後、過年度決算の修正及び2014年度決算発表までの経緯を確認したうえで、報告書における指摘事項がどのように修正されたかを検討することとしたい。
金融商品会計を学ぶ 【第10回】「売買目的有価証券の会計処理」
金融商品会計基準70項は、売買目的有価証券は、売却することについて事業遂行上等の制約がないものと述べている。
しかし、この要件だけでは、経営者の意図だけでいつでも売却可能であることを判定することは恣意的になる可能性があるため、金融商品実務指針では、これに加えて、次のことを規定している(金融商品実務指針65項、268項)。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第93回】人件費に関する会計処理④「労働保険料」
Q これまで1人で会社を経営してきましたが、規模拡大に伴い、従業員を雇用することを決定しました。そこで、労働保険料の会計処理について教えてください。
会計上の『重要性』判断基準を身につける~目指そう!決算効率化~ 【第10回】「重要性判断の実践事例①」~未払計上の要否はベンチで考える
この定義からもわかりますが、未払費用というのは、支払が役務提供の事後に行われるという特徴があります。期末月に提供された役務については、請求が役務提供後遅滞なく行われたとしても翌月の初め、つまり翌年度が始まってからになるので、代金決済も同じく翌年度になるのです。
これが未払費用のやっかいなところです。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第92回】人件費に関する会計処理③「従業員への給与の支払(社会保険料、源泉所得税含む)」
Q これまで1人で会社を経営してきましたが、規模拡大に伴い、従業員を雇用することを決定しました。そこで、従業員への給与の支払に関する会計処理について教えてください。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第20回】「無対価での100%子会社同士の合併~個別財務諸表のみ作成会社の場合~」
今回は、無対価での100%子会社同士の合併(個別財務諸表のみ作成会社の場合)について解説する。
無対価での100%子会社同士の合併とは、例えば、100%子会社A社が100%子会社B社を株主に対して何の対価も交付せずに吸収合併する場合をいう。
また、子会社同士の合併は、「共通支配下の取引(【第18回】参照)」に該当する。
なお、孫会社がある場合については、解説していない。
〔会計不正調査報告書を読む〕【第35回】北越紀州製紙株式会社「調査委員会調査報告書(平成27年5月28日付)」
平成27年5月1日、総務部長X(以下「X」という)の休暇中、A銀行からHTCに対し、当座貸越契約の更新依頼の電話があり、電話を受けた課長はこれを不審に思い、HTC社長に報告した。また、当該課長は、郵便物の中にHTCとは取引のないB銀行発信のものを見つけ、開封したところ、HTCの返済予定表が入っていた。
5月6日、出社したXに直接確認したところ、XはHTCの資金を着服したことを告白したため、内部調査を行ったところ、過年度決算に訂正事項を生じる可能性が高いことが判明し、平成27年3月期決算短信(連結)の公表を延期するとともに、社内調査委員会(以下「当委員会」という)を設置して詳細な調査を行うことを決定したものである。
