被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔税務面(法人税・消費税)のアドバイス〕 【第6回】「大規模災害時の特例措置(その1)」~災害損失特別勘定~
阪神大震災や東日本大震災のように、災害の被害状況が甚大である場合には、特例法や国税庁の個別通達による特例措置がとられることがある。【第6回】から【第8回】においては、これらの大規模災害時の特例措置について解説する。
これらの特例措置は、大規模災害の都度設定されるものであり、今後も必ず同様の内容となるとは限らない。しかし、平成28年4月に発生した熊本地震における特例措置(個別通達)は、東日本大震災時の特例措置を参考として概ね同様の内容となっていることから、今後特例措置が設定される際も同様であると考えられる。
裁判例・裁決例からみた非上場株式の評価 【第22回】「租税法上の評価⑥」
前回では、東京地裁平成19年1月31日判決について解説を行った。
本稿では、最高裁平成7年12月19日判決について解説を行う。本事件は、低廉譲渡により、法人税法22条が適用された事件である。
税務判例を読むための税法の学び方【98】 〔第9章〕代表的な税務判例を読む(その26:「政令委任と租税法律主義③」)
法律による政省令への委任が租税法律主義に違反しているとされた具体的な事例を提供するものとして、重要な先例的意義を有する(佐藤英明「課税要件法定主義一政令への委任の限界」租税判例百選第4版(別冊ジュリスト178号)10頁(ただしこれは控訴審の評釈である))とされる裁判例である。
《速報解説》 役員給与税制、各給与類型の対象範囲を拡大~平成29年度税制改正大綱~
12月8日公表の「平成29年度税制改正大綱」では、「攻めの経営」を促すべく、経営陣に中長期インセンティブを付与するための多様な業績連動報酬や自社株式報酬の導入を促進するよう、損金算入の対象範囲が拡大されることが明記された。
《速報解説》 配当・利益・簿価純資産価額の比重を1:1:1へ変更等、H29.1.1以後の類似業種比準方式を見直し、評価額への影響大のケースも~平成29年度税制改正大綱~
去る平成28年12月8日、与党より「平成29年度税制改正大綱」が公表され、その中に「類似業種比準方式の見直し」が盛り込まれ注目を集めている。
以下、今般の見直しの具体的な内容について解説を行う。なお、文中における意見の部分については、筆者の私見であることを申し添える。
《速報解説》 公益法人等への不可欠特定財産の現物寄附はみなし譲渡課税の対象外に(特例対象に追加)~平成29年度税制改正大綱~
個人が、現金以外の土地・建物などの財産を法人に寄附した場合には、これらの財産は寄附時の時価で譲渡があったものとみなされ、これらの財産の取得時から寄附時までの値上がり益に対して所得税が課税される。
ただし、これらの財産を公益法人等に寄附した場合において、その寄附が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与することなど一定の要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けたときは、この所得税について非課税とする制度が設けられている。
《速報解説》 上乗せ措置の中小企業経営強化税制への改組等、中小企業向け法人税の設備投資促進税制の改正事項~平成29年度税制改正大綱~
平成28年12月8日に公表された「平成29年度税制改正大綱」(与党大綱)において、法人が取得する一定の減価償却資産に係る特別償却及び特別控除制度について、新設・延長・拡充等の整備がされている。
《速報解説》 経営力向上設備等取得に係る固定資産税の課税標準の特例措置、地域・業種限定で対象設備を拡充~平成29年度税制改正大綱~
平成28年12月8日に公表された「平成29年度税制改正大綱」(与党大綱)では、中小事業者等が取得する一定の機械・装置に係る固定資産税の課税標準の特例措置について、残り2年の適用期限に限り、地域・業種を限定した上で、対象設備が拡充されることが明記された。
《速報解説》 増加型の廃止に伴う総額型の控除率見直し、サービス開発の適用等、研究開発税制の改正事項~平成29年度税制改正大綱~
以下では平成29年度税制改正大綱(与党大綱)で示された研究開発税制(及び中小企業技術基盤強化税制)の改正内容について解説する。