「更正の予知」の実務と平成28年度税制改正【第2回】
加算税に関する規定は条数も少なく、また計算規定でもあり、素っ気ない。それゆえ、更正の予知の取扱いを理解していく上では、その規定振り(文理)とともに、加算税や更正の予知の制度趣旨をまず理解することが不可欠であると思われる。
これまで数多くの裁判例でその趣旨が判示されており、これに関する研究もあるが、ここでは代表的と思われる裁判例について簡単に触れておきたい。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第8回】「別表6(6) 試験研究費の総額に係る法人税額の特別控除又は中小企業者等が試験研究を行った場合の法人税額の特別控除及び特別試験研究費に係る法人税額の特別控除に関する明細書」
第8回目は、実務上適用例が増えてきているものの、一般的な書籍等では解説される機会がまだ少なく、かつ最近様式改訂があった「別表6(6) 試験研究費の総額に係る法人税額の特別控除又は中小企業者等が試験研究を行った場合の法人税額の特別控除及び特別試験研究費に係る法人税額の特別控除に関する明細書」を採り上げる。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q13】「外貨建預金を払い出して外貨建株式に投資した場合の為替差益の取扱い」
私(居住者たる個人)は、日本国内の銀行に米ドル建で預け入れていた預金10,000ドルを米ドルで払い出し、その全額を外国株式(米ドル建)に投資することを考えています。この預金については、円高の時代に預け入れたものであり、為替の含み益が生じていますが、この為替差益を所得として認識する必要はありますか。
裁判例・裁決例からみた非上場株式の評価 【第16回】「反対株主の株式買取請求②」
前回では、カネボウ事件のうち、東京高裁平成22年5月24日決定・金判1345号12頁について解説を行った。
本稿では、もうひとつのカネボウ事件である東京地裁平成21年10月19日判決・金判1329号30頁と、会社法施行後の事件である道東セイコーフレッシュフーズ事件について解説を行う。
税務判例を読むための税法の学び方【91】 〔第9章〕代表的な税務判例を読む(その19:「「交際費」の範囲②」(東京高裁平15.9.9))
萬有製薬は、取引先である医療機関の医師や研究者を相手に医療関係文献の英文添削事業を行っていた。当初、国内業者の平均的な料金である1ページ当たり1,500円の料金の徴収であっても、社内に専門家がいたことから利益が出ていたが、その後その専門家が退社したことにより外部に委託せざるを得なくなり、外部委託の費用が収入金額を超過することが恒常的なものとなっていた。その差額の負担額について、課税庁によりそれが交際費とされ、損金不算入として課税処分されたことから、訴訟となったものである。
《速報解説》 関信局、庭先部分を相続した場合の小規模宅地等特例の適用について文書回答事例を公表
関東信越国税局は9月20日付けで、庭先部分を相続した場合の小規模宅地等特例の適用について、下記の文書回答事例を公表した。
山本守之の法人税“一刀両断” 【第27回】「課税要件法定主義を考える」
交際費課税の趣旨は、この制度が創設された当時と現在とでは大いに異なっているが、その判決例を検討してみると、依然として創設当時の古い考え方が残っているのが気にかかります。
例えば、平成15年9月9日の東京高裁における「萬有製薬事件」における判決文では、交際費課税の趣旨を次のように述べています。
「更正の予知」の実務と平成28年度税制改正【第1回】
過少申告加算税、重加算税等の加算税は、延滞税や利子税とともに「附帯税」と称され(通則法60~69)、その名が示すとおり、法人税や所得税等の本税に附帯するものである。
加算税は、法人税等の本税ほどその取扱いが問題となることはないものの、修正申告、更正、税務調査といった場面で、加算税固有の疑義が生ずることがある。
本稿の主題である「更正の予知」は、修正申告書提出に伴う過少申告加算税について、例外的にこれを免除する取扱いである。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例42(贈与税)】 「居住用部分の床面積だけで判定したため、修正申告となり、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税特例」の適用が受けられなくなってしまった事例」
平成27年分の贈与税につき、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税特例」の適用をして申告したが、床面積要件を満たしていなかったため、暦年課税で修正申告することになってしまった。
これにより、過大納付となった贈与税額につき損害賠償請求を受けた。