国境を越えた役務の提供に係る消費税課税の見直し等と実務対応 【第3回】「内外判定基準の見直し」
国境を越えた役務の提供のうち、電子書籍・音楽・広告の配信等の電気通信回線を介して行われる役務の提供を特に「電気通信利用役務の提供(消法2①八の三)」として区分し、当該「電気通信利用役務の提供」に関しては、内外判定基準を従来の役務提供に係る事務所等の所在地から、役務提供を受ける者の住所地等に改められた(仕向地主義への変更)。
〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第16回】「継続的取引の基本となる契約書②(契約上の地位を譲渡する場合)」
問 当社は電化製品卸売会社です。
この度、当社とメーカーとの間で締結した売買取引基本契約上の地位を、譲渡することとなりました。その際に、下記の覚書を作成しましたが、印紙税の取扱いはどうなるのでしょうか。なお、当初甲と乙との間で締結された売買基本契約書は第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)に該当するものです。
改正電子帳簿保存法と企業実務 【第3回】「国税関係帳簿書類のデータ保存の承認申請(1)」
電子帳簿保存法4条1項、2項で規定される電磁的記録の保存に係る申請の対象となる文書は、法人税法、所得税法など税法等の規定で備付け、保存が義務付けされている帳簿書類(以下、「国税関係帳簿書類」)に限られる。
各税法では、国税関係帳簿書類は原則として書面で保存することを義務付けしているが、これを一定の要件の下で、電磁的記録による保存を認めた法律が電子帳簿保存法(以下、「電帳法」)である。
〈要点確認〉非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度~昨今の事業承継税制等をめぐる改正事項~ 【第4回】「改正前後の経過措置及び経営承継円滑化法・小規模企業共済法の改正事項」
本連載の最終回となる本稿では、【第2回】、【第3回】で解説した平成25年度及び平成27年度税制改正事項の適用に関する経過措置について解説し、さらに経営承継円滑化法・小規模企業共済法といった事業承継の関連法についても改正が行われているため、これらのポイントについて解説する。
〔平成27年分〕相続税の申告実務の留意点 【第3回】「未成年者控除・障害者控除の引上げ」
相続人に未成年者・障害者がいるケースは多くはないと推測されるが、被相続人が若くして他界した場合、被相続人の孫を養子としている場合などは、相続人が未成年であるケースも存在する。
相続人が未成年・障害者である場合、特別代理人・成年後見人の選任という問題も生じることが多く、それに伴い、遺産分割につき一定の制約が生じることも多い。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第53回】「その他の論点」
法人税基本通達9-4-2の取扱いについては、国税庁HPのタックアンサーNo.5280において、「子会社等を整理・再建する場合の損失負担等に係る質疑応答事例等」でまとめられており、さらに、再建支援等事案に係る事前相談の窓口が各国税局の審理課(審理官)・沖縄国税事務所の法人課税課・調査課で設けられており、かつては、これに従って処理をすることが一般的であった。
《速報解説》 措置法施行規則等の改正により、本人へ交付する源泉徴収票等への個人番号記載は不要に
平成27年10月2日付け官報号外第227号において、租税特別措置法施行規則等の一部を改正する省令が公布された。
今回の改正により、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(以下、「番号法」という)の施行後も、本人へ交付する源泉徴収票等に個人番号を記載する必要はないこととされた。
《速報解説》 国税庁、「法人番号公表サイト」を開設~10/26夕刻以降、通知書送付分の「基本3情報」の検索・閲覧が可能に
国税庁は10月5日付、企業・団体等の法人に付与される「法人番号」とその法人の本店所在地等が検索・閲覧できる『法人番号公表サイト』を開設した。
法人番号の通知書は10月22日から地域ごとに順次発送されるが、10月26日の夕刻以降同ページにおいて、通知書が発送された法人等の分から、基本3情報(下記参照)の検索・閲覧ができるようになり、12月1日までに段階的に機能拡張される予定となっている。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第34回】「公正処理基準の形成過程と税務通達(その1)」
企業会計準拠主義を採用する法人税法22条4項における公正処理基準にかかる問題点について以下の2点に着目してみたい(金子宏『租税法〔第20版〕』318頁参照(弘文堂2015))。
① 企業会計原則や会計慣行が必ずしも公正妥当であるとは限らないこと
② 企業会計原則や会計慣行が必ずしも網羅的であるとは限らないこと
〈直前対策〉税理士事務所に必要なマイナンバー制度への対応と“おさえておきたい”ポイント 【第2回】「誤解の多い論点と実務上の正しい対応」
個人番号は、個人番号関係事務などの事務を処理する必要がなくなった場合で、法令により定められている保存期間を経過した場合には、できるだけ速やかに廃棄又は削除しなければならない。
ここで問題となるのは、廃棄のタイミングである。
法令により定められている保存期間を経過した後に、個人番号を保管していると「直ちに違法」になるという誤解が多い。