公開日: 2014/07/31 (掲載号:No.80)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第7回】「連結会計」

筆者: 西田 友洋

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【STEP2】連結決算日の統一

親会社の決算日が連結決算日となる(連結基準15)。ただし、親会社と連結子会社の決算日は異なることも多い。そこで、連結基準では、連結子会社と連結決算日との差異が3ヶ月を超えるか否かで異なる取扱いが設けられている。

※画像をクリックすると、大きい画像が開きます。

 

(1) 連結子会社の決算日と連結決算日との差異が3ヶ月を超えない場合

連結子会社の決算日と連結決算日との差異が3ヶ月を超えない場合には、連結子会社の決算日における個別財務諸表を用いて連結することができる。

この場合には、連結子会社の決算日と連結決算日が異なることから生じる連結会社間の取引の重要な不一致について、必要な調整を行う必要がある(連結基準注4)。

 

(2) 連結子会社の決算日と連結決算日との差異が3ヶ月を超える場合

連結子会社の決算日と連結決算日との差異が3ヶ月を超える場合には、連結子会社は連結決算日における正規の決算に準ずる合理的な手続によって仮決算を行う(連結基準16)。ただし、相当の理由がある場合には、連結決算日から3ヶ月を超えない範囲の一定の日を仮決算日とすることができる(連結財務諸表規則ガイドライン12-1)。

この場合には、連結子会社の決算日と連結決算日が異なることから生じる連結会社間の取引の重要な不一致及び連結子会社と連結会社以外の会社との取引・債権・債務等に係る重要な変動について、必要な調整を行う必要がある(連結基準注4、連結財務諸表規則ガイドライン12-1)。

〔追記〕2014/10/30
【STEP2】(1)の2段落目において、連結子会社と連結会社以外との取引・債権・債務等に係る重要な変動についての記載は不要であったため、以下のとおり、お詫びして訂正させていただきます。該当箇所に下線を引いております。なお、【STEP2】のフロー・チャートに訂正はありません。

《【STEP2】の(1)2段落目》
(誤)
この場合には、連結子会社の決算日と連結決算日が異なることから生じる連結会社間の取引の重要な不一致及び連結子会社と連結会社以外の会社との取引・債権・債務等に係る重要な変動について、必要な調整を行う必要がある(連結基準注4、連結財務諸表規則ガイドライン12-1)。
(正)
この場合には、連結子会社の決算日と連結決算日が異なることから生じる連結会社間の取引の重要な不一致について、必要な調整を行う必要がある(連結基準注4)。

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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第7回】

「連結会計」

 

仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

昨今では、1社単独ではなく、複数の企業を一体とした企業グループにより経営活動を行うことが多い。このような状況では、企業グループ間で様々な取引を行っており、個別財務諸表だけでは、企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を経済的実態に沿って開示することはできない。

例えば、同じ企業グループ内でA社からB社へ製品の販売を行い、B社が消費者へその製品を販売する場合、個別財務諸表においては、A社及びB社ともに売上が計上される。しかし、企業グループとしてはB社の消費者への販売のみが売上に該当し、A社のB社への売上は企業グループ内の内部取引にすぎない。したがって、個別財務諸表だけでは、企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を正しく開示することはできない。

そのため、企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を経済的実態に沿って、適切に開示するために「連結財務諸表」が必要となる。

 

連結会計は、以下の9つのステップに分けることができる。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

公認会計士

2007年に、仰星監査法人に入所。
法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。
その他、日本公認会計士協会の中小事務所等施策調査会「監査専門部会」専門委員に就任している。
2019年7月退所。

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