公開日: 2014/07/31 (掲載号:No.80)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第7回】「連結会計」

筆者: 西田 友洋

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【STEP3】個別修正仕訳

親会社、連結子会社間で会計方針、勘定科目に違いがある場合、本格的な連結の会計処理を行う前にその違いを統一しておく必要がある。また、決算日が異なることによる修正の検討も必要である。

(1) 会計方針の統一による修正

(2) 勘定科目の統一による修正

(3) 決算日が異なることによる修正

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(1) 会計方針の統一による修正

同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、親会社と連結子会社が採用する会計方針は、原則として統一しなければならない(連結基準17)。

例えば、同一の取引に係る売上の計上基準について、親会社で出荷日基準を採用している、連結子会社で納品日基準を採用している場合、企業集団の財政状態及び経営成績をより適切に表示する会計方針に統一する必要がある。

(※) 在外子会社との会計方針の統一については、本フロー・チャートでは解説していない。

 

(2) 勘定科目の統一による修正

同一環境下で行われた同一の性質の取引等については、親会社と連結子会社で同じ勘定科目を使用する必要がある。そのため、親会社と連結子会社で使用している勘定科目が異なる場合には、統一する必要がある。

 

(3) 決算日が異なることによる修正

【STEP2】で解説したとおり、以下のような場合に修正が必要となる。

連結子会社の決算日(仮決算日)と連結決算日で3ヶ月を超えない差異がある場合で、連結会社間の取引の重要な不一致及び連結子会社と連結会社以外の会社との取引・債権・債務等に係る重要な変動がある場合

例えば、以下のような場合に修正が必要となる。

連結決算日が3月末で連結子会社の決算日が12月末の場合に、3月中に連結子会社から親会社に重要な土地の売却があった。この場合に何ら修正しないと、「親会社の土地購入」という取引は親会社の3月末の個別財務諸表に計上されるが、「連結子会社の土地売却」という取引は12月末の個別財務諸表に計上されておらず、3月末に連結財務諸表を作成する際に、適切な連結修正を行うことができない。

そのため、連結子会社の12月末の個別財務諸表に土地売却取引の会計処理を追加する必要がある。

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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第7回】

「連結会計」

 

仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

昨今では、1社単独ではなく、複数の企業を一体とした企業グループにより経営活動を行うことが多い。このような状況では、企業グループ間で様々な取引を行っており、個別財務諸表だけでは、企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を経済的実態に沿って開示することはできない。

例えば、同じ企業グループ内でA社からB社へ製品の販売を行い、B社が消費者へその製品を販売する場合、個別財務諸表においては、A社及びB社ともに売上が計上される。しかし、企業グループとしてはB社の消費者への販売のみが売上に該当し、A社のB社への売上は企業グループ内の内部取引にすぎない。したがって、個別財務諸表だけでは、企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を正しく開示することはできない。

そのため、企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を経済的実態に沿って、適切に開示するために「連結財務諸表」が必要となる。

 

連結会計は、以下の9つのステップに分けることができる。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

公認会計士

2007年に、仰星監査法人に入所。
法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。
その他、日本公認会計士協会の中小事務所等施策調査会「監査専門部会」専門委員に就任している。
2019年7月退所。

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