公開日: 2016/06/30 (掲載号:No.175)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第27回】「デリバティブ」

筆者: 西田 友洋

【STEP2】時価評価

デリバティブ取引により生じる正味の債権及び債務は、原則として時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は、ヘッジに係るものを除き、当期の純損益として処理する(実務指針101)。

具体的な会計処理は、以下のとおりである。

通常、一般事業会社がデリバティブ取引を行う場合、金融機関から提示された時価を利用することが多いと考えられる。

時価評価を行った場合、以下の【STEP3】から【STEP6】の検討は不要である。

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第27回】

「デリバティブ」

 

仰星監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

今回は、デリバティブの会計処理について解説する。デリバティブとは、以下のような特徴を有する金融商品をいう(会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針(以下、「実務指針」という)」6)。

(1)

その権利義務の価値が、特定の金利、有価証券価格、現物商品価格、外国為替相場、各種の価格・率の指数、信用格付・信用指数、又は類似する変数(これらは基礎数値と呼ばれる)の変化に反応して変化する①基礎数値を有し、かつ、②想定元本か固定若しくは決定可能な決済金額のいずれか又は想定元本と決済金額の両方を有する契約である。

(2)

当初純投資が不要であるか、又は市況の変動に類似の反応を示すその他の契約と比べ当初純投資をほとんど必要としない

(3)

その契約条項により純額(差金)決済を要求若しくは容認し、契約外の手段で純額決済が容易にでき、又は資産の引渡しを定めていてもその受取人を純額決済と実質的に異ならない状態に置く。

なお、本解説では、金利スワップの特例処理、振当処理等については、解説しない。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

公認会計士

2007年に、仰星監査法人に入所。
法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。
その他、日本公認会計士協会の中小事務所等施策調査会「監査専門部会」専門委員に就任している。
2019年7月退所。

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