公開日: 2020/08/27 (掲載号:No.383)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第50回】「建設協力金の会計処理」

筆者: 西田 友洋

【STEP3】〈返還される部分〉返還時の会計処理

建設協力金は、一般的に一定期間後に返還されるため、返還される前と後で会計処理が異なる。

(1) 建設協力金の返還が始まる前

長期貸付金は、割引計算された金額のため、契約期間に応じて利息をプラスする必要がある(利息法により計算する)。一方、長期前払家賃は、契約期間で均等に費用処理する必要がある。
【会計処理】 (借方) 長期貸付金 支払賃料 ×××(※1) ×××(※2) (貸方) 受取利息 長期前払賃料 ×××(※1) ×××(※2)

(※1) 長期貸付金の残高 × 割引率

(※2) 長期前払家賃の残高 ÷ 契約残存期間

(2) 建設協力金の返還が始まった後

上記(1)の会計処理に加えて、契約利率に応じた利息を受け取るため、受取利息を計上する。また、元本返還された金額を会計処理する必要がある。
【会計処理】 (借方) 長期貸付金 現金預金 現金預金 支払賃料 ×××(※3) ×××(※4) ×××(※5) ×××(※7) (貸方) 受取利息 長期貸付金 長期前払賃料 ×××(※5) ×××(※6) ×××(※7)

(※3) 長期貸付金の残高 × 割引率

(※4) 建設協力金残高(= 建設協力金の支出額 - 元本返還額)× 契約利率

(※5) (※3)(※4)

(※6) 建設協力金の元本返還額

(※7) 長期前払家賃の残高÷契約残存期間

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第50回】

「建設協力金の会計処理」

 

RSM清和監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

建設協力金とは、ある土地及び建物を借りるにあたって、賃借人が賃貸人(土地の所有者)に建物の建設費用を預託する金銭のことをいう。一般的には、一定期間据え置き後に、利息とともに分割返済される(又は賃料と相殺される)のが一般的である。

今回は、賃借人の建設協力金の会計処理について解説する。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

史彩監査法人 パートナー
公認会計士

2007年10月に準大手監査法人に入所。2019年8月にRSM清和監査法人に入所。2022年2月に史彩監査法人に入所。
主に法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。また、会社買収に当たっての財務デューデリジェンス、IPOを目指す会社への内部統制コンサル及び短期調査、収益認識コンサル実績もある。
他に、決算留意事項セミナーや収益認識セミナー等の講師実績もある。

【日本公認会計士協会委員】
監査・保証基準委員会 委員(現任)
監査・保証基準委員会 起草委員会 起草委員(現任)
中小事務所等施策調査会 「監査専門委員会」専門委員(現任)
品質管理基準委員会 起草委員会 起草委員
中小事務所等施策調査会 「SME・SMP対応専門委員会」専門委員
監査基準委員会「監査基準委員会作業部会」部会員

【書籍】
「図解と設例で学ぶ これならわかる連結会計」(共著/日本実業出版社)等

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