公開日: 2020/08/27 (掲載号:No.383)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第50回】「建設協力金の会計処理」

筆者: 西田 友洋

【STEP2】〈返還される部分〉支払時の会計処理

賃借人が建設協力金を支払った際には、返済期日までのキャッシュ・フローを割り引いた現在価値を時価として認識する。そのため、割引計算が必要となる。

そして、支払額と当該時価との差額は、長期前払家賃として計上し、契約期間にわたって各期の損益に合理的に配分する(会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針(以下、「実務指針」という)」133)。
【会計処理】 (借方) 長期貸付金 長期前払費用 ×××(※1) ×××(※2) (貸方) 現金預金 ×××(※3)

(※1) キャッシュ・フローの割引現在価値

(※2) 差額

(※3) 支払額

【留意点】

建設協力金に関して、差入企業が対象となった土地建物に抵当権を設定している場合、現在価値に割り引くための利子率は、原則としてリスク・フリーの利子率(例えば、契約期間と同一の期間の国債の利回り)を使用する。ただし、返済期日までの期間が短いもの等、その影響額に重要性がないものは、現在価値に割り引かないことができる(実務指針133)。

現在価値に割り引かない建設協力金は債権に準じて会計処理するため、貸倒引当金の計上を検討する必要がある。

 

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第50回】

「建設協力金の会計処理」

 

RSM清和監査法人
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

建設協力金とは、ある土地及び建物を借りるにあたって、賃借人が賃貸人(土地の所有者)に建物の建設費用を預託する金銭のことをいう。一般的には、一定期間据え置き後に、利息とともに分割返済される(又は賃料と相殺される)のが一般的である。

今回は、賃借人の建設協力金の会計処理について解説する。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

史彩監査法人 パートナー
公認会計士

2007年10月に準大手監査法人に入所。2019年8月にRSM清和監査法人に入所。2022年2月に史彩監査法人に入所。
主に法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。また、会社買収に当たっての財務デューデリジェンス、IPOを目指す会社への内部統制コンサル及び短期調査、収益認識コンサル実績もある。
他に、決算留意事項セミナーや収益認識セミナー等の講師実績もある。

【日本公認会計士協会委員】
監査・保証基準委員会 委員(現任)
監査・保証基準委員会 起草委員会 起草委員(現任)
中小事務所等施策調査会 「監査専門委員会」専門委員(現任)
品質管理基準委員会 起草委員会 起草委員
中小事務所等施策調査会 「SME・SMP対応専門委員会」専門委員
監査基準委員会「監査基準委員会作業部会」部会員

【書籍】
「図解と設例で学ぶ これならわかる連結会計」(共著/日本実業出版社)等

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