顧問先の経理財務部門の
“偏差値”が分かる
スコアリングモデル
【第29回】
「経費管理のKPI
(その③ 支払承認)」
株式会社スタンダード機構
代表取締役 島 紀彦
はじめに
今回は、経費管理を構成する複数のKPIから、経費支払の「支払承認」に関連する業務プロセスを評価するKPIを取り上げる。
経費管理においても、仕入・買掛債務管理の場合と同様に、事前に取引内容の承認を経て、発注、物品や役務の検収、請求書の受領、支払承認という手続を経る必要があるが、経費管理の対象となる取引件数が多い会社では、あらかじめ設定した予算の範囲内であれば、個別の事前承認を経ないで発注し、請求書を受領した時点で取引承認と支払承認を兼ねる簡便な承認手続で済ませる場合もある。そこで、経費管理においては、支払承認にかかる事務処理のあり方が、効率性や正確性を左右する。
そこで、今回は、経費支払の業務プロセスから得られる情報を活用して、効率性や正確性を評価するKPIを紹介しよう。
◆KPIの項目◆
〔調査対象業務〕
経費管理
〔調査対象業務プロセス〕
経費支払
〔調査項目〕
起票部門における請求書受領日から起算して、経理財務部における支払承認完了日までの平均日数は何日ですか。
日数を回答欄に記入してください。
〔回答形式〕
「日数」
KPIが設定された業務プロセスの確認
まず、経済産業省スタンダードで整理された業務プロセスを引用しながら、このKPIに対応する業務プロセスを押さえておこう。
経済産業省スタンダードでは、経費管理において、会社が担う一般的な機能を、「年度予算管理」と「日常管理」に分けている。
今回解説するKPIは、「日常管理」を構成する「通常経費処理」、「仮払決済」、「差額決済」に共通して現われる経費支払に関連する業務プロセスにおいて設定されている。
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