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【STEP1】年金資産の額の合理的な計算
複数事業主制度の場合、自社の拠出に対応する年金資産の額を合理的に計算することができるか、できないかにより会計処理が異なる(企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準(以下、「基準」という)」33)ため、まず、自社の拠出に対応する年金資産の額を合理的に計算することができるか、できないかを検討する。
複数事業主制度において、「自社の拠出に対応する年金資産の額を合理的に計算することができない」場合とは、複数事業主制度において、事業主ごとに未償却過去勤務債務に係る掛金率(※)や掛金負担割合等の定めがなく、掛金が一律に決められている場合(適用指針64)をいう。 これは、年金基金の規程等で確認することができる。
(※) 未償却過去勤務債務に係る掛金率の定めがあるかどうかとは、事業所脱退時の未償却過去勤務債務の清算を指しているのではなく、過去勤務債務の償却のために必要な掛金(厚生年金基金制度及び確定給付企業年金制度では特別掛金という)に負担区分等がなく、一律的に適用されている掛金率であるかどうかということである(適用指針120)。
上記に該当する場合であっても、親会社等の特定の事業主に属する従業員に係る給付等が制度全体の中で著しく大きな割合を占めているときは、当該親会社等の財務諸表上、自社の拠出に対応する年金資産の額を合理的に計算できない場合にはあたらない(適用指針64)。
なお、総合設立型の場合には、自社の拠出に対応する年金資産の額を合理的に計算できない場合が多い(適用指針120)。
上記の検討の結果、自社の拠出に対応する年金資産の額を合理的に計算することができる場合、【STEP2】を検討する。できない場合は、【STEP3】を検討する。