公開日: 2018/05/31 (掲載号:No.270)
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これからの国際税務 【第7回】「平成30年度税制改正における恒久的施設定義の見直し」

筆者: 青山 慶二

これから国際税務

【第7回】

「平成30年度税制改正における恒久的施設定義の見直し」

 

早稲田大學大学院会計研究科 教授
青山 慶二

 

1 BEPS勧告に忠実な日本

平成30年度税制改正のうち国際課税に関する項目は、ここ数年と同様、G20・OECDが主導する「税源浸食・利益移転(BEPS)プロジェクト」の国際合意を実践するための施策を中心に構成された。すなわち、外国法人課税において帰属主義を適用する上での閾値となる恒久的施設(PE)の定義を、BEPS合意の内容を体現した2017年版OECDモデル条約第5条の規定にほぼ沿った形で、改正したのである。

PEの定義については、租税条約の合意がオーバーライドするため、必ずしも国内法の規定が常に有効となるわけではないが、PE該当性を免れる租税回避の懸念に答えたBEPS勧告を忠実に反映した国内法改正は、我が国のBEPS対応への積極性を誇示するものといえよう。

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これから国際税務

【第7回】

「平成30年度税制改正における恒久的施設定義の見直し」

 

早稲田大學大学院会計研究科 教授
青山 慶二

 

1 BEPS勧告に忠実な日本

平成30年度税制改正のうち国際課税に関する項目は、ここ数年と同様、G20・OECDが主導する「税源浸食・利益移転(BEPS)プロジェクト」の国際合意を実践するための施策を中心に構成された。すなわち、外国法人課税において帰属主義を適用する上での閾値となる恒久的施設(PE)の定義を、BEPS合意の内容を体現した2017年版OECDモデル条約第5条の規定にほぼ沿った形で、改正したのである。

PEの定義については、租税条約の合意がオーバーライドするため、必ずしも国内法の規定が常に有効となるわけではないが、PE該当性を免れる租税回避の懸念に答えたBEPS勧告を忠実に反映した国内法改正は、我が国のBEPS対応への積極性を誇示するものといえよう。

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連載目次

これからの国際税務

筆者紹介

青山 慶二

(あおやま・けいじ)

現 職:千葉商科大学大学院 客員教授
    21世紀政策研究所 国際租税研究主幹
専 門:国際租税

【略歴】
1971年 東京大学法学部卒業
1973年 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士)、国税庁入庁
1998年 国税庁国際業務課長
2003年 ニューヨーク大学ロースクール客員研究員
2004年 国税庁審議官(国際担当)
2006年 国税庁退職、筑波大学大学院ビジネス科学研究科教授
2012年 早稲田大学大学院会計研究科教授(2019年3月定年退職)
2020年 千葉商科大学大学院客員教授

【主な審議会等委員】
OECD租税委員会(1998年~2000年、2004年~2006年)
経済産業省国際課税小委員会座長(2008年~2014年)
国連経済社会理事会・税に関する専門家委員会 委員(2009年~2014年)
国際租税協会(IFA)常設研究企画委員会 委員(2010年~2018年)
政府税制調査会専門家委員会 特別委員(2010年~2011年)

【近年の著書】
『米国内国歳入法第482条(移転価格)に関する財務省規則』社団法人日本租税研究協会(1995年)
『国際課税の理論と実務』(共著)有斐閣(1997年)
『改訂版国際課税の理論と課題』(共著)税務経理協会(1999年)
『租税条約の理論と実務』(共著)清文社(2008年)
『日本の税をどう見直すか』(共著)日本経済新聞出版社(2010年)
『国際課税の理論と実務73の重要課題』(共著)大蔵財務協会(2011年)
『現代税制の現状と課題(国際課税編)』(単著)新日本法規出版(2017年)

関連書籍

租税条約関係法規集

公益財団法人 納税協会連合会 発行

これならわかる!租税条約

本庄 資 監修  三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 国際事業本部・国際本部 チーフコンサルタント 藤井 恵 著

国際課税における税務調査対策Q&A

税理士 安部 和彦 著

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