ハラスメント発覚から紛争解決までの
企 業 対 応
【第3回】
「コロナハラスメントとその対応策」
弁護士 柳田 忍
1 はじめに
ここ数ヶ月の間、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、いわゆる「コロナハラスメント」が頻発しているとの報道等を目にする機会が多い。
例えば、当時感染が拡大していた大阪市から奈良市の製造会社に通勤している女性の上司が当該女性の同僚複数人に対し、当該女性と一緒に食事をとらないよう指示したことから、当該女性は職場での昼食をやめざるを得なくなったといったケースや、患者と職員の院内感染が発生した病院に勤務する看護師の夫が、勤務先の会社から「奥さんが看護師を続ける限り、あなたは出勤できない。会社を辞めるか、奥さんが辞めるか」と迫られたとのケースなどが一部報道されている(※)。
(※) SankeiBiz「コロナハラスメントが深刻化 職場でばい菌扱い、客から悪質な苦情も」(2020年4月29日付)、神戸新聞NEXT「「会社辞めるか、奥さんが辞めるか」看護師と家族に誹謗中傷 神戸・中央市民病院」(2020年5月9日付)等参考。
東京や大阪などを除く39都道府県については5月14日、同月21日には3府県、残りの5都道県についても同月26日に緊急事態宣言が解除され、段階的にではあるが通常どおりの勤務体制に戻す企業も増えている。
しかし、第2波のおそれの懸念もあると言われており、新型コロナウイルスの恐怖から完全に解放されたわけではないと感じている人も多い中、新型コロナウイルスに起因した嫌がらせ等が行われる可能性は増加しているとも言える。
そこで、本稿では、新型コロナウイルスに起因したハラスメントを「コロナハラスメント」と称したうえで、コロナハラスメントの概要、コロナハラスメントの事前防止策及びコロナハラスメントが発生した場合の対応策について述べることとする。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。