ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第5回】「事実調査における証拠の収集と事情聴取の留意点」
筆者:柳田 忍
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ハラスメント発覚から紛争解決までの
企 業 対 応
【第5回】
「事実調査における証拠の収集と事情聴取の留意点」
弁護士 柳田 忍
ハラスメント事件のおそれが発覚した場合、会社として、まずは事実調査を行うべきである。
本稿においては、事実調査のポイントを解説する。
1 物的証拠の収集
ハラスメントの事実調査の方法には、物的証拠の収集と関係者の事情聴取を通じた人的証拠の収集とがある。
ハラスメントの物的証拠としては、被害を申告した者(以下「被害者」という)と加害者とされた者(以下「加害者」という)の間のやりとりを記したメールやLINE等のSNS、録音データ等が挙げられる。加害者から被害者宛のメール等に記載されたメッセージがハラスメントに該当する場合もあるし、被害者から加害者宛のメッセージが有力な物的証拠となる場合もある(例えば、社員間の性的関係がセクハラによるものか、単なる社内恋愛かを判断する際に、被害者から加害者へのメッセージも参考になる)。
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連載目次
ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応
▷総論
- 【第1回】 代表的なハラスメントの定義とその特徴
- 【第2回】 ハラスメント事件の発覚から終結に至るまでの鳥瞰図
- 【第3回】 コロナハラスメントとその対応策
- 【第4回】 相談窓口の運用と発覚後の初期対応
- 【第5回】 事実調査における証拠の収集と事情聴取の留意点
- 【第6回】 ハラスメントの事実認定と加害者の処分等における留意点
- 【第7回】 被害者からの請求及び裁判外の紛争解決手続における留意点
- 【第8回】 被害者からの請求に関する裁判上の紛争手続における留意点
- 【第9回】 加害者からの請求及び仮の地位を定める仮処分
- 【第10回】 ハラスメントの事前防止策と再発防止策
▷Q&A解説
- 【第11回】 退職勧奨の実施はパワハラに該当するのか
- 【第12回】 オンライン会議時に常にカメラをオンにするよう命令したらリモートハラスメントに該当するのか
- 【第13回】 不倫がセクハラに発展した場合の注意点
- 【第14回】 マタハラの「被害者」と周囲の労働者との調整を図るうえでの留意点
- 【第15回】 ハラスメントの目撃者等の協力が得られないまま加害者の処分を行う場合のリスク
- 【第16回】 ワクチンハラスメントに関する注意点
- 【第17回】 虚偽の被害申告への対応策
- 【第18回】 改正公益通報者保護法とハラスメント
- 【第19回】 セクハラと社内恋愛の見分け方
- 【第20回】 LGBTに対するハラスメント及びLGBTの髪型や服装に対する制約にかかる法的問題点
- 【第21回】 社員にワクチン接種を勧奨する場合の注意点
- 【第22回】 男性社員に対するセクハラ事案への対処法
- 【第23回】 少人数の会社・部署におけるハラスメント対応策のポイント
- 【第24回】 取引先からのパワハラに関する会社の責任
- 【第25回】 中小企業のパワハラ防止措置の義務化に関連する留意点及びチェックポイント
- 【第26回】 新入社員に対するハラスメントにおける注意点
- 【第27回】 ハラスメントハラスメント(ハラハラ)の予防策
- 【第28回】 ハラスメント社内研修のすすめ 7/14公開
筆者紹介
柳田 忍
(やなぎた・しのぶ)
弁護士
牛島総合法律事務所 スペシャル・カウンセル
https://www.ushijima-law.gr.jp/attorneys/shinobu-yanagita北海道大学法学部卒業、2005年牛島総合法律事務所入所。
労働審判、労働訴訟等の紛争案件のほか、人員削減・退職勧奨、M&A・統合・組織再編に伴う人事労務、懲戒処分、ハラスメント、競争企業間の移籍問題、人事労務関連の情報管理やHRテクノロジー等を中心に、国内外の企業からの相談案件等を多く手掛けている。また、労働者派遣・職業紹介の領域についても明るい。特にハラスメント問題に関しては、女性ならではの視点をもった対応が好評を博しており、各種団体におけるハラスメントに関する講演経験も豊富である。The Legal 500 Asia Pacific 2019のLabour and Employment部門で高い評価を得ており、また、The Best Lawyers in Japan(2020 Edition及び2021 Edition)のLabor and Employment Law部門において選出されている。
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