固定資産をめぐる判例・裁決例概説
【第62回】
「実際に検収を行わずに検収書を作成し、機械装置の取得があったものとして税務処理をしたことは、単に事務的・形式的に検収書を作成、提出したにすぎないとして、重加算税の賦課決定処分が取り消された事例」
税理士 菅野 真美
▷重加算税が課されるためには
重加算税は、納税者が隠蔽又は仮装により適正な申告よりも過小な申告をし、又は申告自体しなかった場合のペナルティとして課される加算税の一つである。
重加算税が課されるためには、納税者が故意に課税標準等又は税額等の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その行為を原因として過少申告の結果が発生すること(昭和62年5月8日最高裁判所判決、TAINSコード:Z158-5922)が必要となる。
納税者の故意(主観的な意思)を外部から推し量るのは困難であるが、国税庁の「法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)」において、たとえば、帳簿書類の改ざん(偽造及び変造を含む。以下同じ。)、帳簿書類への虚偽記載、相手方との通謀による虚偽の証ひょう書類の作成、帳簿書類の意図的な集計違算その他の方法により仮装の経理を行っている場合は、重加算税の対象とされる。
それでは、現品が到着した機械装置について、実際に検収を行わなかったにもかかわらず、検収書を作成し、納品請求書を取得し、機械装置として計上し、特別償却や普通償却を計上することは、重加算税の対象となる隠蔽又は仮装な行為に該当するか。この件で争われた事案を検討する。
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