谷口教授と学ぶ
税法基本判例
【第60回】
「《補論》所得税の譲渡所得課税に対する法人税基本通達13-1-7(権利金の認定見合せ)の波及効果」
-「第2のタキゲン事件」・大阪高判令和8年5月14日(未公刊・LEX/DB25629872)-
大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫
Ⅰ はじめに
タキゲン事件・最判令和2年3月24日訟月66巻12号1925頁について、前回は、「譲渡所得課税の趣旨」法理(学説では増加益清算課税説)の観点から検討したが、第6回は、租税通達の「解釈」の問題を検討した。
今回は、法人税基本通達13-1―7(以下「本件通達規定」という)で定められている借地権設定の対価としての権利金の認定見合せという取扱いが、別税目である所得税の譲渡所得課税に対してどのような意味ないし波及効果をもつかが実質的な争点となったと考えられる事件(以下「本件」という)に関する裁判所の判断を検討することにする。
本件・大阪高判令和8年5月14日(未公刊・LEX/DB25629872。以下「本判決」という)は、原則として原審・大阪地判令和7年1月17日(未公刊・LEX/DB25629871。以下「原判決」という)を引用して判断を示している。
本判決が引用する原判決は、本件通達規定及びこれに基づく無償返還届出書の提出の趣旨について次のとおり判示した(下線筆者)。
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