monthly TAX views -No.96-「2021年度税制改正、キャリードインタレストの取扱いに注目」
今回取り上げたいのは、国際金融都市に向けた税制上の措置として、役員給与(業績連動給与)損金算入要件の弾力化や、ファンドマネージャーが運用成果に応じファンドから受け取る利益(キャリードインタレスト)の分配について課税上の解釈を明確化することが盛り込まれたことである。これらは香港問題をにらんでの措置である。
令和2年分 確定申告実務の留意点 【第1回】「令和2年分の申告から適用される改正事項」
今回から3回シリーズで、令和2年分の確定申告に係る実務上の留意点を解説する。
第1回は、令和2年分の申告から適用される改正事項のうち次の①から⑥を取り上げる。
① 給与所得控除と公的年金等控除の見直し
② 配偶者、扶養親族等の所得要件の調整
③ 基礎控除の見直し
④ 所得金額調整控除の創設
⑤ ひとり親控除の創設と寡婦控除の見直し
⑥ その他の改正項目
居住用財産の譲渡損失特例[一問一答] 【第11回】「居住用家屋の跡地の一部の譲渡」-居住用家屋の敷地の一部の譲渡-
Xは、30年前に取得した家屋とその敷地300㎡を居住の用に供していましたが、その家屋が老朽化したことなどから、昨年1月、その家屋を取り壊し、同年3月、その家屋と一体として利用してきた庭部分100㎡を売却しました。
その売却にあたっては多額の譲渡損失が発生し、銀行で住宅ローンを組んで、残地部分に新たな家屋を取得し、昨年12月から居住の用に供しています。
他の適用要件が具備されている場合に、Xは当該譲渡ついて、「居住用財産買換の譲渡損失特例(措法41の5)」を受けることができるでしょうか。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例25】「事業譲渡に伴って行った債権放棄の貸倒損失該当性と寄附金課税」
私は、関東地方でいくつかの業態の飲食店チェーンを経営する株式会社Aにおいて、経営企画室長をしております。これまで当社グループは、創業の居酒屋チェーンを中心に、M&Aにより順調に事業を拡大してきましたが、中には伸び悩む業態もあり、特にファーストフード系の子会社であるB・Cの2社の業績が低迷しておりました。当該子会社の親会社であるA社は、これまで役員の派遣や低利融資などにより援助してきましたが、同業者との激しい競争に打ち勝てず、赤字体質からの脱却が困難な情勢が続いていました。
〔Q&Aで解消〕診療所における税務の疑問 【第4回】「個人版及び法人版事業承継税制の適用可否と適用時の注意点」
【Q1】
医師・歯科医師が個人事業で経営する診療所は、個人版事業承継税制の適用は可能でしょうか。
また適用できる場合には、その注意点を教えてください。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第2回】「比較対象取引の選定における差異調整の判断」
比較対象取引の選定において差異調整はどのような場合に行うのでしょうか。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第108回】「2020年における調査委員会設置状況」
本連載では、個別の会計不正に関する調査報告書について、その内容を検討することを主眼としてきたが、本稿では、第三者委員会ドットコムが公開している情報をもとに、各社の適時開示情報を参照しながら、2020年において設置が公表された調査委員会について、調査の対象となった不正・不祥事を分類するとともに、調査委員会の構成、調査報告書の内容などを概観し、その特徴を検討したい。
〔中小企業のM&Aの成否を決める〕対象企業の見方・見られ方 【第10回】「買い手は「売り手探し」から始めてはいけない」
中小企業のM&Aにおける買い手の中には、“成長”、“規模の拡大”、“持続可能性”、“シナジー”といった言葉に誘われて自らも買い手として名乗りを上げ、いきなり売り手候補探しに入る、という方もたくさんいらっしゃいます。
税効果会計を学ぶ 【第20回】「退職給付に係る負債又は退職給付に係る資産に関する一時差異の取扱い、のれん又は負ののれんの取扱い」
連結財務諸表における退職給付に係る負債に関する繰延税金資産又は退職給付に係る資産に関する繰延税金負債については、次のように会計処理する(税効果適用指針42項)。