計算書類作成に関する“うっかりミス”の事例と防止策 【第45回】「取締役等の報酬等の一覧表の誤記載検出法」
計算書類にはうっかりミスがつきものです。
実際、こんなミスが起きています。
事業報告で開示される取締役等の報酬の一覧表で、原因はわかりませんが、一部の数字が間違っていたというものです。これがうっかりミスだったのかどうかは第三者からはわかりませんが、訂正前の数字が何の数字だったのかを推測してみると、やはり作成過程における作業上の単純ミスだったのではないかと考えられる事例です。
なお、事業報告は計算書類ではありませんが、株主総会招集通知の添付書類として、計算書類と一体となって読まれるものです。したがって、会社法による開示書類の1つとして今回取り上げてみました。
では、早速、事例を見ていきましょう。
《速報解説》 JICPAから「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める四半期財務諸表等に対する期中レビューに関するQ&A」の草案が公表される~独立監査人の四半期連結財務諸表に対する期中レビュー報告書の文例等も示す~
2024年2月21日、日本公認会計士協会は、「期中レビュー基準報告書実務ガイダンス「東京証券取引所の有価証券上場規程に定める四半期財務諸表等に対する期中レビューに関するQ&A(実務ガイダンス)」」(公開草案)を公表し、意見募集を行っている。
《速報解説》 会計士協会、「財務諸表のレビュー業務」及び実務ガイダンスの改正案を公表~レビュー業務の対象範囲の整理等行う~
2024年2月21日、日本公認会計士協会は、「保証業務実務指針2400「財務諸表のレビュー業務」及び保証業務実務指針2400実務ガイダンス第1号「財務諸表のレビュー業務に係るQ&A(実務ガイダンス)」の改正」(公開草案)を公表し、意見募集を行っている。
《速報解説》 令和5年分の所得税の確定申告で令和6年能登半島地震に係る雑損控除等の適用可とする特例法が公布、同日施行
令和6年能登半島地震の災害による損失について、令和5年分の所得税の確定申告で雑損控除等の適用を受けられる特例法(令和6年能登半島地震災害の被災者に係る所得税法及び災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の臨時特例に関する法律)が、同法の政令とともに2月21日付け官報特別号外第18号で公布、同日施行された(個人住民税の雑損控除を令和6年度分(令和5年所得)において適用対象とする地方税の特例法(地方税法の一部を改正する法律)も官報同号にて公布、施行)。
〔令和6年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第3回】「「中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の延長」「「中小企業投資促進税制」の見直しと延長」「「中小企業経営強化税制」の見直しと延長」「特定の資産の買換え等の特例の見直しと延長」」
令和5年度税制改正における改正事項を中心として、令和6年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。本連載では、その中でも主なものを解説する。
【第2回】は「オープンイノベーション促進税制の見直し」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制の見直しと延長」及び「中小企業防災・減災投資促進税制の見直しと延長」について解説した。
【第3回】は「中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の延長」、「「中小企業投資促進税制」の見直しと延長」、「「中小企業経営強化税制」の見直しと延長」及び「特定の資産の買換え等の特例の見直しと延長」について解説する。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例131(所得税)】 「特別償却費の額を取得した年に全額経費計上したため、所得控除が切捨てになってしまった事例」
令和X年分の所得税につき、1,000万円の貨物運送用車両を取得し、「中小事業者が機械等を取得した場合の特別償却」(以下「中小事業者の機械等の特別償却」という)を限度額まで計上して申告したため、令和X年分の所得金額が50万円になり、所得控除額250万円が全額控除できず、200万円が切捨てになってしまった。上記特別償却は限度額までは任意償却ができ、1年間の繰越しが認められていることから、所得控除額を全額控除できるように特別償却額を調整し、翌年に繰り越していれば、令和Y年分の所得税額等を低く抑えることができたとして、損害賠償請求を受けた。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第34回】「一括取得した土地・建物の売買代金の按分方法として、鑑定評価に基づく積算価格比率による按分が認められた事例」
土地と建物を一括取得して、それぞれの価格がいくらなのか契約書に記載されていない取引がある。この場合、売買代金をなんらかの基準で土地と建物に配賦することになる。
建物を事業の用に供する場合は、減価償却費を通じて長期間にわたって購入対価を必要経費処理できるが、土地は必要経費処理をすることができない。毎期の所得税や法人税の納税負担を軽減したいならば、減価償却費を増額させるために建物の取得価額により多くの売買代金を負担したいと考える傾向がある。しかし、いきすぎた建物への取得価額の配賦については、否認されるケースがある。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第38回】「日本ガイシ事件-立地特殊優位性がもたらす利益の取扱いについて-(高判令4.3.10)(その2)」~租税特別措置法66条の4第1項、第2項1号ハ、同施行令39条の12第8項1号ハ~
本判決については、次の2点を評価する意見がある(※11)。第1は、「重要な無形資産以外の利益発生要因であっても、残余利益において考慮することを認めていることから」、重要な無形資産以外の利益発生要因は基本的利益、重要な無形資産は残余利益「の二分法を排除し、事案に応じた利益分割法の方法を提示した意味がある」点である。
四半期報告書制度廃止に伴う開示実務のポイント 【前編】
2023年11月20日に「金融商品取引法等の一部を改正する法律」(令和5年11月29日法律第79号)が成立し、四半期報告書制度が廃止することが決定した。
本稿では、前後編の2回にわたって四半期報告書制度の廃止に伴う開示実務のポイントを解説する。なお、本執筆時点では多くのルールが公開草案の段階であることから、確定していないものについては、公開草案をもとに解説している。そのため、今後ルールが確定次第、情報を入手して確認していただきたい。