経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第37回】消費税に関する会計処理③「控除対象外消費税額」
Q 当社は、食品卸売業を営む会社で、消費税の会計処理として税抜方式を採用しています。当事業年度において、納付すべき消費税額を計算したところ、控除対象外消費税額があったため、納付すべき消費税額と「仮受消費税」、「仮払消費税」の差額が一致しなくなりました。このような場合、会計処理はどのように行えばよいでしょうか。
日本の会計について思う 【第3回】「世界、アメリカ、そして日本の会計学会」
2014年2月20日~22日、アメリカ・テキサス州サンアントニオで、世界会計学会(IAAER)とアメリカ会計学会(AAA)国際会計セクションの共催で国際会議が開催され、日本からも9名が参加した。このことは普通ならありふれたことと受け止められるに違いない。しかし、いま世界会計学会会長を務める私にとって、今回の共催は「感慨深い」と言っていいほど多くの意味をもっている。
実務対応報告からみた「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引」(日本版ESOP)の取扱い 【第2回】「会計処理及び注記の確認」
第3項の取引について、対象となる信託が、
(1) 委託者が信託の変更をする権限を有している
(2) 企業に信託財産の経済的効果が帰属しないことが明らかであるとは認められない
の2つの要件を満たす場合、企業は期末において総額法を適用し、信託の財産を企業の個別財務諸表に計上することとされている(第5項)。
過年度遡及会計基準の気になる実務Q&A 【第6回】「過去の財務諸表と遡及適用」
過去の財務諸表に「遡及適用」した場合、過去の財務諸表は誤っていたのでしょうか。
林總の管理会計[超]入門講座 【第22回】「病院経営を黒字化する『活動基準原価計算』の考え方」
〔林〕今日のテーマは病院を黒字化し、患者の満足も高まる仕組みだ。
〔Q〕期待しています。でも、本当にそんな夢みたいなことって可能なんですか?
〔林〕ずいぶんはっきり言うね。これから話すことは、病院管理の「仕組み」とその「考え方」だ。仕組みと考え方をよく理解して、主体的に病院管理に生かさなければ、単なる画餅に終わる。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第36回】消費税に関する会計処理②「期末決算時の会計処理」
Q 当社は、食品卸売業を営む会社で、消費税の会計処理として税抜方式を採用しています。当事業年度において、納付すべき消費税額を計算しましたが、会計上はどのように処理すればよいでしょうか。なお、当社は当事業年度において、消費税の中間納付も行っています。
《速報解説》 「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」(公開草案)について
平成26年3月7日付で、企業会計基準委員会は、「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い(案)」(実務対応報告公開草案第40号)を公表した。
これは、経済産業省が制定した「リース手法を活用した先端設備等導入促進補償制度推進事業事務取扱要領」(平成26年3月3日制定)3条7号におけるリース契約に基づくリース取引について、借手の会計処理等に関する実務上の取扱いを示したものである。
実務対応報告からみた「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引」(日本版ESOP)の取扱い 【第1回】「対象となるスキーム」
企業会計基準委員会(ASBJ)は、平成25年12月25日に実務対応報告第30号「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」を公表し、いわゆる「日本版ESOP」について会計上の取扱いを示した。適用は平成26年4月1日以降に開始する事業年度の期首からとされているが、早期適用も認められている。
本稿では平成26年3月期の決算を目前に控え、本実務対応報告の概要について解説する。なお、文中の意見に関する部分は私見であることをあらかじめ申し添えさせていただく。
企業担当者のための「不正リスク対応基準」の理解と対策 【第1回】「不正リスク対応基準の設定背景と不正リスクの想定」
不正リスク対応基準の設定を契機に、企業では組織内の不正を阻止する風土の醸成と不正リスクの観点からリスク・コントロールの再評価が求められている。【第1回】では、不正リスク対応基準をめぐる現状把握として、不正リスク対応基準の設定背景と不正リスクの想定について解説する。
なお、文中の意見に関する部分は、筆者の個人的な見解である。また、本稿で触れている個別の事案については、これらが一般的にも起こりうることを鑑みて、企業が不正リスクに対応する際の参考になることを目的として記載している。特定の会社の経営管理のしくみを批判・批評することを目的としていないことをお断りしておく。
設備投資減税を正しく活用して強い企業をつくる~設備投資における管理会計のポイント~ 【第5回】「「設備投資の経済性計算」を理解する」
設備投資を検討するうえで必ず理解しておかなくてはならないのは、「投資の採算性はキャッシュ・フローで考える」ということである。
これは企業や事業全体にもいえることであり、結局、事業とは「調達したキャッシュ」(インプット)と「獲得したキャッシュ」(アウトプット)の差額がいくらだったのかという点に尽きる。
仮に、企業が誕生してから清算されるまでに稼いだキャッシュをすべて企業内部に留めていたならば、清算時に残るキャッシュは、それまでのインプットとアウトプットの差額になるはずである。