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【STEP1】相場変動の相殺又はキャッシュ・フローの固定化の有無
デリバティブ取引は、一般事業会社の場合、相場変動を相殺する又はキャッシュ・フローを固定化するといったリスクをヘッジする目的で取引(ヘッジ取引)を行う場合が多いと考えられる。
相場変動を相殺するヘッジ取引(公正価値ヘッジ)とは、ヘッジ対象が相場変動リスクにさらされており、かつ、ヘッジ対象の相場変動とヘッジ手段の相場変動との間に密接な経済的相関関係があり、ヘッジ手段がヘッジ対象の相場変動リスクを減少させる効果を持つものである(実務指針141)。 例えば、外貨建金銭債権債務(外貨建売掛金、外貨建貸付金等)の為替変動リスクのための為替予約などがある。
キャッシュ・フローを固定するヘッジ取引(キャッシュ・フロー・ヘッジ)とは、ヘッジ対象がキャッシュ・フロー変動リスクにさらされており、かつ、ヘッジ対象のキャッシュ・フロー変動とヘッジ手段のキャッシュ・フロー変動との間に密接な経済的相関関係があり、ヘッジ手段がヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動リスクを減少させる効果を持つものである(実務指針141)。例えば、変動金利の借入金の支払金利を固定化するための金利スワップなどがある。
ヘッジ取引で行うデリバティブ取引とそうでない場合のデリバティブ取引で異なる会計処理を適用できるため、まず、デリバティブ取引が相場変動を相殺するものか、又はキャッシュ・フローを固定化するものであるかを判断する。
相場変動を相殺する又はキャッシュ・フローを固定化するデリバティブ取引(ヘッジ取引)の場合は、【STEP3】を検討する。これらのデリバティブ取引でない(ヘッジ取引でない)場合、【STEP2】を検討する。