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【STEP2】連結財務諸表上の会計処理
1 子会社・関連会社の範囲
子会社・関連会社の範囲には、会社のほかに、組合その他これらに準ずる事業体(外国におけるこれらに相当するものを含む)が含まれる。そのため、組合等についても支配力基準及び影響力基準に基づき、子会社及び関連会社の範囲に含まれるかどうかについて検討する必要がある(実務報告Q2)。特に、投資事業組合は留意が必要である。
2 連結上の会計処理
「金融商品会計に関するQ&A」において、投資事業組合のみ連結上の会計処理が明記されている。
投資事業組合については、通常、出資者は平等であり、共有財産として処理するのが原則であるが、連結上、支配力基準又は影響力基準により実質的に子会社又は関連会社として扱われる場合には、以下のとおり会計処理する(「金融商品会計に関するQ&A」Q71)。
(注) なお、その他の組合等についても同様の会計処理になると考えられる。
(1) 連結
通常の子会社と同様に、当該組合の資産及び負債を連結した上で、親会社に帰属しない部分を「非支配株主持分」として計上する(この場合、個別財務諸表の組合の処理を戻し入れて全体を改めて連結する方法が実務的)。また、親会社に帰属しない部分の損益は、「非支配株主に帰属する当期純利益」として計上する。
(2) 持分法
個別財務諸表上の会計処理はそのまま連結財務諸表に取り込んだ上で、投資者(自社)以外の出資者が負担しない損失がある場合には、この分の損失を追加で計上する。
* * *
以上、2のステップをまとめたフロー・チャートを再掲する。
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【参考】
- 会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」(日本公認会計士協会)
- 実務対応報告第21号実務対応報告第21号「有限責任事業組合及び合同会社に対する出資者の会計処理に関する実務上の取扱い」(ASBJ)
- 金融商品会計に関するQ&A(日本公認会計士協会)
(了)
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