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日本の企業税制 【第1回】「法人税実効税率引下げへの道筋」
法人実効税率の引下げが、にわかに現実味を帯び始めている。
10月1日に取りまとめられた与党「民間投資活性化等のための税制改正大綱」では、復興特別法人税の1年前倒し廃止について12月中に結論を得ると表記されたのに続き、以下のような記述がなされている。
「企業結合に関する会計基準」等の改正点と実務対応 【第1回】「主な改正事項の確認」
企業結合における取得関連費用のうち一部について、改正前の会計基準では、取得原価に含めることとされていたが、改正会計基準等では、発生した事業年度の費用として処理することとされた。また、主要な取得関連費用を注記により開示することとされた。
なお、個別財務諸表における子会社株式の取得原価は、従来と同様に、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」及び日本公認会計士協会会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」に従って算定される。
これらの会計処理は、共通支配下の取引の会計処理にも同様に適用される。
年俸制と裁量労働制 【第1回】「給与の支払方法(年俸制)と労働時間管理の方法(裁量労働制)は別物」
「うちは年俸制で給与を支払い、裁量労働制を導入しているので残業代を支払っていない」という声をよく耳にする。特に設立間もない企業や、比較的小規模な企業で顕著であるように感じられる。
年俸制とは月給制・日給月給制など賃金の支払方法の一つであり、裁量労働制は労働時間管理方法の一つである。
年俸制は賃金の支払方法の一つであるために規制はないが、裁量労働制は労働基準法に定められた内容に基づいて運用する必要がある。基本的には、裁量労働制適用者には年俸制を適用するという関連性を持たせてもよいものではあるが、いわゆる固定費=人件費を削減する目的だけで年俸制を導入し、割増賃金が適正に支払われないという状況は避けなければならない。
年金制度をめぐる最新の法改正と留意点 【第1回】「第3号被保険者不整合期間の対応(その1)」~不整合期間の特定期間化~
国民年金の年金記録において、実態は第1号被保険者であったにもかかわらず、第3号被保険者のままとなっている記録(以下「不整合記録」といい、その記録に関する期間を「不整合期間」という)の問題への対応策として、不整合期間に係る特例等を定めた「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」(平成25年法律第63号)が、平成25年6月26日に公布され、平成25年7月1日から施行されている。
〈平成25年分〉おさえておきたい年末調整のポイント 【第1回】「給与所得控除の上限設定」
今年も年末調整の準備を行う時期となった。
本連載では、平成25年分の年末調整事務に関係する税制改正の内容及び年末調整に関して質問を受けることが多い事項等について解説することとする。
税制改正事項のうち、平成25年分の年末調整事務に関係するものは、下記の2つである。
① 給与所得控除の上限設定
② 復興特別所得税の創設
第1回目は、上記の税制改正事項のうち、今年から適用される「給与所得控除の上限設定」について取り上げる。
減損会計を学ぶ 【第1回】「減損会計の全体像」
平成14年8月に、企業会計審議会から「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(以下「減損会計意見書」という)が公表され、平成17年4月1日以後開始する事業年度から実施されている。減損会計はすでに実務に定着しているものといえる。
減損会計は、企業の業績が悪化するなどし、将来の収益が十分には獲得できない場合に、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように固定資産の帳簿価額を減額する会計処理である。このため、減損会計は毎期決算のポイントとなる事項であり、将来の収益の獲得という見積りの要素が重要となる。
前述のように減損会計はすでに実務に定着しているものの、導入当初はなかなかなじみにくい会計基準であるとの意見が聞かれた。これは、減損会計には全体像が理解しにくい面があること、減損の兆候などの新しい用語が使用されていること、管理会計の要素を考慮する面があることなどがあるためではないかと考えられる。
「民間設備投資活性化等のための税制改正大綱」を読む【第1回】
「日本再興戦略」の中では、「思い切った投資減税で法人負担を軽減すること等によって積極姿勢に転じた企業を大胆に支援していく。」として、今後3年間でリーマンショック前の設備投資水準(70 兆円/年)を回復するために、老朽化した生産設備から生産性・エネルギー効率の高い最先端設備への入替え等の生産設備の新陳代謝を促進する取組みを強力に推進し、これに応じて設備の新陳代謝を進める企業への税制を含めた必要な支援策を講じることとされており、その具体化として、「生産性向上設備投資促進税制」が創設された。
居住用財産の譲渡所得3,000万円特別控除[一問一答] 【第1問】「「3,000万円特別控除」と「買換えの特例」の適用要件の相違点」
居住用財産を譲渡した場合の課税については、いくつかの特例措置が設けられているものの、譲渡物件の利用状況等が多種多様にわたることなどから、この特例の適用の有無にあたっては、一般納税者のみならず税理士にとっても、その判定は大変難しいものとなっている。
国税庁ホームページの「質疑応答事例」においては、この特例に関する主要な20問が掲載されているが、この連載では、小職の元国税資産税職員としての審理経験や調査経験などを活かしながら、税理士等が特例の適用にあたって迷いがちとなる様々な譲渡ケース等を想定した質疑事例を作成し、3,000万円特別控除(措法35)を主体として、居住用財産の譲渡所得に係る特例を説明していきたい。
建設業が危ない!労務トラブル事例集・社会保険適用の実態 【第1回】「社会保険加入の現状」
建設業は、上位の工事発注元から下位の一人親方・職人まで、複数の下請構造となっており、末端になればなるほど小規模零細事業者・個人事業主となる事から、労災保険・雇用保険・健康保険等の保険への未加入が多い業種といえる。
労災保険は、業務上での様々な事故が多いことから加入率も高いが、一方で、業務上の事故が発生した際には、保険料率が上がることを避けたいがために、元請事業者が下請事業者に自身の保険利用を強制するなどの不正もしばしば見受けられる。
常識としてのビジネス法律 【第1回】「ビジネスと文書(その1)」
ビジネスには文書が必要とされる場合が多く、そのうち権利義務に関するものや、それを証明するものを「法律文書」と呼ぶ。
その代表例は、営業関係でいえば、領収証、請求書、注文書、注文請書、催告書、報告書、契約書、委任状などであるが、その形式について、どのように作るべきかなどの法律上の制約は、原則として存在しない。
