平成26年分
確定申告実務の留意点
【第3回】
「海外転勤者の確定申告」
公認会計士・税理士 篠藤 敦子
近年、企業活動のグローバル化に伴い、海外転勤は一部の個人を対象とするものではなくなっている。海外転勤者の税務については、転勤する本人と企業側の双方が理解しておくことが大切である。
(1) はじめに
所得税の課税の対象となる所得の範囲は、個人の居住形態に応じて次の通り定められている(所法7①一・二・三)。
(※) 内国法人の役員の場合には、役務の提供が国外で行われたとしても、その者に対する役員報酬は(海外の支店等に使用人として常時勤務している等の場合を除き)国内源泉所得として所得税の課税対象となる(所法161八イ、所令285①、所基通161-29)。
年の途中で海外へ転勤し居住者から非居住者になった人や、反対に海外から帰国し非居住者から居住者となった人、また、非居住者期間中に国内源泉所得が生じる人については、確定申告が必要となる場合がある。
海外転勤者の確定申告に関する留意点を、以下にまとめる。
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