〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A
【第14回】
「従業員・相続人以外の親族・生計一親族に事業を承継させた場合の特定事業用宅地等の特例の適用の可否」
税理士 柴田 健次
[Q]
次のそれぞれの場合には、A宅地からC宅地について、小規模宅地等に係る特定事業用宅地等の特例の適用を受けることは可能でしょうか。① 被相続人は30年間飲食店業を営んでいましたが、その飲食店の事業の用に供していたA土地及び家屋(いずれも被相続人が100%所有)を配偶者が相続により取得し、その後、被相続人の事業を承継した従業員(親族外)が事業を承継し、その配偶者が相当の対価でその従業員に賃貸しています。
② 被相続人は20年間美容室を営んでいましたが、その美容室の事業の用に供していたB宅地及び家屋(いずれも被相続人が100%所有)を被相続人の甥が遺贈により取得し、事業を承継し、相続税の申告期限まで引き続き、事業の用に供しています。
なお、被相続人の相続人は長男と二男の2人となります。
③ 被相続人は30年間中華料理屋を営んでいましたが、相続発生の2年前に後継者で被相続人と同居していた長男にその事業を承継させ、事業廃止届出書を税務署に提出しました。中華料理屋の事業の用に供していたC宅地及び家屋(いずれも被相続人が100%所有)は、長男が使用貸借により借り受け、長男の事業の用に供されています。令和3年10月1日の相続発生に伴い、C宅地及び家屋を被相続人と生計を一にしていた長男が相続により承継し、相続税の申告期限まで引き続き、事業の用に供しています。
【C宅地に係る事業用財産】
相続開始時点の相続税評価額
土地:100,000,000円(被相続人が100%所有)
建物:20,000,000円(被相続人が100%所有)
器具備品:10,000,000円(長男が100%所有)
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