公開日: 2022/11/24 (掲載号:No.496)
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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第60回】「オペレーティング・リース取引の注記」

筆者: 西田 友洋

各ステップに移動する場合はこちらをクリック

【STEP2】注記

リースの借手及び貸手ともに、オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料は、貸借対照表日後1年以内のリース期間に係るものと、貸借対照表日後1年を超えるリース期間に係るものとに区分して注記する(リース適用指針74)。ただし、重要性が乏しいオペレーティング・リース取引は、注記対象から除くことができる(リース適用指針75)。

なお、計算書類では、必ずしも当該注記は求められていない。

【重要性が乏しい場合】

オペレーティング・リース取引のうち注記を要しないとされる重要性が乏しい場合とは、以下の「いずれか」に該当する場合をいう(リース適用指針75)。

 個々のリース物件のリース料総額が、リース適用指針第35項(1)に該当するリース取引(=重要性が乏しい減価償却資産について、購入時に費用処理する方法が採用されている場合で、リース料総額が当該基準額以下のリース取引

 リース期間が1年以内のリース取引

 契約上数ヶ月程度の事前予告をもって解約できるリース契約で、その予告した解約日以降のリース料の支払が必要ない事前解約予告期間(解約不能期間)に係る部分のリース料

 企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリース取引で、リース契約1件当たりのリース料総額(維持管理費用相当額又は通常の保守等の役務提供相当額のリース料総額に占める割合が重要な場合には、その合理的見積額を除くことができる)が300万円以下のリース取引(1つのリース契約に科目の異なる有形固定資産又は無形固定資産が含まれている場合は、異なる科目ごとに、その合計金額により判定することができる)

事業目的に照らして重要性のあるリース取引は、300万円以下であっても注記対象から除くことはできない。例えば、工場の機械をリースで借りている場合で、当該機械が、会社の事業にとって重要性があるならば、300万円以下でも注記が必要である。

【事例】(株)商船三井(2022年3月期 有価証券報告書)

(リース取引関係)

(借主側)

オペレーティング・リース取引

未経過リース料

(貸主側)

オペレーティング・リース取引

未経過リース料

*  *  *

以上、2つのステップをまとめたフロー・チャートを再掲する。
※画像をクリックすると、別ウィンドウでPDFが開きます。

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

【第60回】

「オペレーティング・リース取引の注記」

 

史彩監査法人 パートナー
公認会計士 西田 友洋

 

【はじめに】

今回は、オペレーティング・リース取引の注記について解説する。

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連載目次

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務

第1回~第30回

筆者紹介

西田 友洋

(にしだ・ともひろ)

史彩監査法人 パートナー
公認会計士

2007年10月に準大手監査法人に入所。2019年8月にRSM清和監査法人に入所。2022年2月に史彩監査法人に入所。
主に法定監査、上場準備会社向けの監査を中心に様々な業種の会計監査業務に従事する。また、会社買収に当たっての財務デューデリジェンス、IPOを目指す会社への内部統制コンサル及び短期調査、収益認識コンサル実績もある。
他に、決算留意事項セミナーや収益認識セミナー等の講師実績もある。

【日本公認会計士協会委員】
監査・保証基準委員会 委員(現任)
監査・保証基準委員会 起草委員会 起草委員(現任)
中小事務所等施策調査会 「監査専門委員会」専門委員(現任)
品質管理基準委員会 起草委員会 起草委員
中小事務所等施策調査会 「SME・SMP対応専門委員会」専門委員
監査基準委員会「監査基準委員会作業部会」部会員

【書籍】
「図解と設例で学ぶ これならわかる連結会計」(共著/日本実業出版社)等

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